貧乏低能男子と金持ち天才美少女のラブコメ

ふーちゃん

第1話俺の前に天使が現れた件

 初めまして。宮岡健です。

 先に言っておきます。

 この物語は主に、僕の視点で書かれています。僕の頭の悪さにより語彙力に欠ける箇所が所々ありますがご了承ください。それでは、「貧乏低能男子と金持ち天才美少女のラブコメ」スタートです。


 いきなりだが、俺の名前は宮岡健。どこにでもいる普通な高校生…とはかけ離れた男子高校生です。それは、中学受験をして私立中高一貫校にはいったものの、成績は400人中390位、家は学費を払うので精一杯なくらい貧乏、おまけに学校が男子校なため恋愛なんていっさいできないからだ。しかしそんな俺は高校一年になった。親はさすがに俺の成績が大学進学に影響が出ると思い学習塾に通うことになった。


 始業式

「ふぁぁぁ―――、今日から学校か」

 そうつぶやきながらけのびをし、一階へ降りる。

「健!あんた、今日から塾に行ってよ!」

「はぁ?マジで⁉学校当日なのに⁉」

 ヤバい。久しぶりにガチでキレた。俺は普段から感情を表に出さないようにしているが、勉強ごとになると顔に血管が浮き出るくらい腹が立つ。

 あぁ。ちなみに今怒鳴りつけたのは俺の母親、宮岡彩。普段はおとなしいのだがなぜか俺の前だと意味もなく怒鳴りつけやがる。俺の中でのあだ名はドバァだ。

 ほんと、朝っぱらから怒鳴るのだけはやめてほしい。

「文句言わない!さっさとご飯食べて学校行け!」

「わかったからほんと黙って!」

 俺は朝食を胃の中に流し込み、速攻で歯を磨き、制服を着て、家を出ようとした。

「待ってよ兄さん!」

 おっと天使の登場。

 こいつは俺の妹の宮岡香菜。中学3年の14歳。香菜は美人で文武両道、性格は大人しく、素直で、真面目。さらに、俺にとても優しくしてくれる。正直俺が兄ではなかったら告ってたと思う。

「わかった。待ってるから早くしろよ。」

「はーーーい」

 ヤバい、香菜を見てると顔が歪む。

 俺はすぐさま天井に目をやった。

 学校はいつも妹と一緒にいくことにしている。

 始業式だから忘れてしまっていた。

 ドッドッドッ

 香菜が廊下を結構早めに走ってきた。

「兄さん、お待たせ!」

 少し疲れきった顔なのだが、それもまたかわいい。そして俺の顔をくりくりっとした大きな瞳で見ながら、チラチラと胸元を見せてくる。ヤバい理性が・・・

 ダメだ。気をとりなおせ、俺。

 俺は首を横に降り、香菜に目を向けないようにした。

「よし、行くか。」

「うん。」

 香菜は笑ってうなずいた。

「「いってきまーす」」



 中学校と高校の分かれ道

「じゃあね、兄さん。学校楽しんでね。」

「おう、じゃあな」

 俺は少しにやけながら手を振った。

 俺は何も考えず青く透き通った空を眺めながら、歩いていると・・・

「久しぶり!健!」

「よう!久しぶり、涼!」

 俺の肩を強めに押して現れたのは、俺の数少ない友達の五十嵐涼である。こいつは成績、運動ともに中間くらいで顔もイケメンでもなく、ブサイクでもないいわゆる普通っていうやつだ。あー今の説明は馬鹿にしているのではなく少なくとも俺よりましな人間ということだ。俺も普通がよかったなー。

「健斗せんぱーい!!!!!」

 俺が少し落ち込んでいると何やら男にとっては中心のやつを殴らないと気が済まないくらい女子が集まっていた。10人以上いるだろうか。しかも全員女子校の人だ。

「また、女子が群がってやがる、マジで憎ったらしい。」

 涼がキレめに話しかけた。

「あーほんとほんと、一発殴りたい。」

 俺らが愚痴を言っているやつは、萩原健斗。うちの学校を代表する生徒だ。顔はイケメンで成績も超優秀、運動もでき、さらに男女問わず優しい。まさにどこかの芸人が言っているパーフェクトヒューマンというやつか。噂ではモデルをやっているらしい。ちなみに年は俺と同じ高校1年だ。あーマジでリア充爆発しろ。

 などと思いながら俺たちは教室に向かった。


 俺たちの学校、西山高校は私立中高一貫で、県でも数少ない進学校だ。校風は自由を尊重する学校で校則もゆるい。ただ、男子校で女子と触れ合うことが一番の名読みだ。萩原みたいな例外もいるが。

 なんやかんやで教室についた。まわりは男子たちのしゃべり声やスマホのゲーム音が聞こえる。中には「昨日のドラマの女優、めっちゃ可愛くね?」や、「この胸どれくらいある?」「F?いやGぐらいない?」R指定されている雑誌を見てにやけている奴らもいる。


 そして始業式が終わり帰り道

「健!一緒に帰ろうぜ!」

 また俺の肩を押してきた。朝よりかなり強めだった。

「いいぜ!あと少しどっか寄っていこ…」

 あっ。今日から塾だっけ。朝ドバァにクッソ怒鳴られたことを思い出した。

「やっぱ無理だ。俺今日から塾に行くんだわ。」

「マジで?ならしゃーねーな。」

「すまんな。」

「別にいいや。また今度いこうな。じゃーな!」

 と言って走って帰った。

 俺はどんよりした気持ちでゆっくり歩いていく。


 俺の通う塾、川井教室だ。

 そこまで大手の塾ではないがある程度実績の良い塾らしい。塾の窓に東京大学2人や京都大学3人と張られていた。

 俺は塾に入ると10人くらいの男女の生徒が学校と変わらないくらいの声で話していた。だからといって別に話すわけでもなく、俺はスマホをいじった。昔から人見知りで友達と話す機会は少ない。別に友達を作りたいとも思わないので話しかけなかった。

 授業が始まる1分前、俺の隣の人はまだ来ていなかった。

「初日なのに休みか?」

 俺はそう思いながら待っていると…


 俺の前に天使が現れた。


 俺の頭は真っ白になった。

 教室に入ってきたのは白いいかにも高価そうなドレスにピンクの手持ちのバック、大きな白くて花柄の帽子、とても高さのあるヒールのたぶん今まで生きてきた中で一番綺麗な人だと思った。もちろん妹より。

 そして彼女は先生を睨みつけるようにして

「遅れてすみません」

 と少し怒ったような口ぶりで話したのだった。

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