姚興64 南北激動    

司馬休之しばきゅうしらを救援せんと向かった姚成王ようせいおう

だが、南陽なんようについたところで敗報が届く。

なので、撤収。


司馬休之は、

魯宗之ろそうし司馬文思しばぶんし司馬道賜しばどうし

馬敬ばけい魯軌ろき魯范ろはんと言ったメンツとともに

後秦こうしんに亡命した。



一方の、北。

赫連勃勃かくれんぼつぼつ赫連建かくれんけんを派遣。

貳県じけんを攻撃させるため、

数千騎で平涼へいりょうに進撃させた。

赫連建を防ぐため、姚恢ようかい五井ごせいに出撃。

しかし敗北し、姚興都ようこうとが捕らわれた。

そうして赫連建、新平入りを果たす。


この事態を前に、姚弼ようひつが動く。

龍尾堡りゅうびほにて赫連建を大破、捕らえ、

長安ちょうあんに差し出した。


ちなみにこの頃、赫連勃勃は数年もの間、

石堡せきほを守る彭雙方ほうそうほうに手を焼いていた。

石堡の進捗がはかばかしくない中、

更には、赫連建の敗報である。


あ、こりゃだめだ。

ついに赫連勃勃、石堡を諦めた。




姚成王至於南陽,司馬休之等為劉裕所敗,引歸。休之、宗之等遂與譙王文思,新蔡王道賜,甯朔將軍、梁州刺史馬敬,輔國將軍、竟陵太守魯軌,甯朔將軍、南陽太守魯范奔於興。勃勃遣其將赫連建率眾寇貳縣,數千騎入平涼。姚恢與建戰于五井,平涼太守姚興都為建所獲,遂入新平。姚弼討之,戰于龍尾堡,大破之,擒建,送于長安。初,勃勃攻彭雙方于石堡,方力戰距守,積年不能克。至是,聞建敗,引歸。


姚成王の南陽に至れるに、司馬休之らは劉裕に敗らる所と為り、引き歸す。休之、宗之らは遂に譙王の文思、新蔡王の道賜、甯朔將軍・梁州刺史の馬敬、輔國將軍・竟陵太守の魯軌、甯朔將軍・南陽太守の魯范と興に奔る。勃勃は其の將の赫連建を遣りて眾を率い貳縣を寇ぜしめ、數千騎にて平涼に入る。姚恢と建は五井にて戰い、平涼太守の姚興都は建に獲わる所と為り、遂に新平に入る。姚弼は之を討ち、龍尾堡にて戰い、之を大破し、建を擒え、長安に送る。初、勃勃は彭雙方を石堡に攻むるも、方は力戰距守し、積年克す能わず。是に至り、建の敗るるを聞き、引き歸す。


(晋書118-25_仇隟)




この感じだと、姚弼の武勲がだいぶ削除されてそうですね。きっちり史書にのっけたら、かなりの数に上ったんじゃなかろうか。そして、国をさんざん引っ掻き回した挙げ句処断された、と言うエピソードを強調する上では都合が悪いから、削除した。だって姚弼の武勲らしい武勲ってここが初めてなんですよ。さんざん才能ある、才能あるって言われて。んな都合のいい話があるもんですかい。


曲筆はあれだけど、「大局に関係がない」エピソードは省略できるよね。わかるよ。


ざけんな。

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