姚萇15 植樹      

姚萇ようちょう、部下の姚当城ようとうじょうに命じ、

本陣を囲む柵の片隅に木を植え、

雷悪地らいあくちらを倒した記念とした。


それから一年ばかり後、

あの木はどうなった? と姚萇が尋ねると、

姚当城は答える。


「非常に手狭だったので、拡張しました。

 なのであの木も伐採いたしました」


マイガー!

なんてこった、姚萇は言う。


「生まれてこのかた、あれほどの快勝は

 味わったことがなかった!


 1600人で、30000人をだぞ!

 オレたちの戦いは、あの時が

 始まりだった!


 強者なのに小勢、

 これがカッコいいんだろうが!

 大勢の強者なんざ、フツーだ、フツー!」


城に詰めていた胡曹寅こそうえん王達おうたつ

姚萇に馬三千匹を献上してきた。

このため姚萇、

胡曹寅を鎮北將軍、并州刺史し、

王達を鎮遠將軍、金城太守とした。




萇命其將當城于營處一柵孔中蒔樹一根,以旌戰功。歲餘,問之,城曰:「營所至小,已廣之矣。」萇曰:「少來鬥戰無如此快,以千六百人破三萬眾,國之事業,由此克舉。小乃為奇,大何足貴!」貳城胡曹寅、王達獻馬三千匹。以寅為鎮北將軍、并州刺史,達鎮遠將軍、金城太守。


萇は其の將の當城に命じ營處が一柵の孔中に樹を一根蒔て、以て戰功を旌ず。歲餘、之を問わば、城は曰く:「營せる所は至りて小さかれば、已に之を廣めん」と。萇は曰く:「少來より鬥戰に快なるに此くの如き無し、千六百人を以て三萬眾を破る、國の事業、此の由にて克舉さる。小さからば乃ち奇為らん、大なるに何ぞ貴足らんか!」と。貳城の胡曹寅、王達は馬三千匹を獻ず。寅を以て鎮北將軍、并州刺史と為し、達を鎮遠將軍、金城太守とす。


(晋書116-15_言語)




カッコイイ姚萇さんが、ここに来てオモシロっぷりを見せてきてくれました。この解釈でいいのかはやや不安ですが、この解釈だと姚萇さんが面白くて良いのです。

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