苻暉 苻堅の次男
苻暉。
苻堅が即位したとき、
380 年、苻堅は関中で自らの率いる一族が
人口爆発を決めたので、
そのうちの十五万世帯を宗族に分配、
各地の重要都市に赴任させた。
ようは漢人が諸侯を各地に配属させる
前例に倣ったのだ。
苻暉が任じられたのは、
都督豫洛荊南兗東豫揚六州諸軍事、
鎮東大將軍、豫州牧。鎮所は
関中から平野に出るための玄関口、
というド要衝を任せた。
配した氐人は 3200 世帯。
そして、
その知らせを聞き、苻堅、
「故郷が荒れてるのでどうにかしたい」と
苻堅の元から去った
苻暉を助けてやってくれ、というわけだ。
ふざっけんなバカ、慕容垂なんざ
どう考えても裏切りもんだろうが!
やってきた慕容垂を袖にする苻暉。
結果慕容垂は南下、翟斌と手を組みました☆
……あれ、こいつ慕容垂に
大義名分与えてね?
ともあれ慕容垂、監視役として
つけられていた
その配下兵らを穴に「しまった」。
苻暉、配下将の
翟斌を攻撃させたが、敗死。
この情勢下で洛陽にいたままではまずい。
そう判断したか、苻暉、
洛陽や
その長安では、
攻め込んできた。
苻暉、その迎撃を任されるも大敗。
ついには慕容沖に、長安城北西の宮殿、
苻堅、苻暉を激詰めした。
「お前は余の子だな!?
しかも大軍を任されたな!?
だと言うのに、白面のちび
ずいぶんといいように
やられているではないか!
よくもまあおめおめと
生き恥を晒しておれたものだ!」
この言葉に苻暉は怒り、恥じ、
ついには自殺した。
苻暉、堅第二子也。堅即位、封為平原公。建元十六年、堅以諸氐種類繁滋分十五萬戶、使諸宗親各領之散居要鎮、如古諸侯。以暉為都督豫洛荊南兗東豫揚六州諸軍事、鎮東大將軍、豫州牧、鎮洛陽、配氐戶三千二百。合淝之敗、丁零翟斌起兵叛秦、攻暉於洛陽。堅驛書使慕容垂將兵討之。暉遣使讓、垂趨使進兵垂南結丁零、殺苻飛龍、盡坑其眾。暉又遣驍將毛當擊翟斌、為斌所敗、當死之。暉率洛陽陜城之眾、歸長安。會慕容沖引師來攻去長安二百餘里。堅乃使暉拒沖。沖遂據阿房、屢敗暉兵。堅讓之曰「汝、吾之才子也、擁大眾、屢為白虜小兒所摧!何用生!」為暉恚憤自殺。
苻暉、堅が第二子なり。堅の即位せるに、封ぜられ平原公と為る。建元十六年、堅は諸氐が種の類の繁滋なるを以て十五萬戶を分け、諸宗親をして各おの之を領し要鎮に散居せしめ、古の諸侯が如くす。暉を以て都督豫洛荊南兗東豫揚六州諸軍事、鎮東大將軍、豫州牧と為し、洛陽に鎮じ、氐戶三千二百を配す。合淝の敗にて、丁零の翟斌は兵を起し秦に叛き、暉を洛陽に攻む。堅は驛書にて慕容垂をして兵を將いさせ之を討たしめんとす。暉は使を遣りて讓り、垂は使を趨らせ兵を進む。垂は南にて丁零と結びて苻飛龍を殺し、盡くの其の眾を坑とす。暉は又た驍將の毛當を遣わせ翟斌を擊たしむれど、斌に敗せる所と為り、當は之に死す。暉は洛陽、陜城の眾を率い、長安に歸す。慕容沖の師を引き長安を去ること二百餘里に來攻せるに會す。堅は乃ち暉をして沖を拒ましむ。沖は遂に阿房に據し、屢しば暉が兵を敗る。堅は之を讓りて曰く「汝、吾の才子にして大眾を擁し、屢しば白虜が小兒に摧らる所為らんか! 何ぞを生を用いんか!」と。為に暉は恚憤し自殺す。
(十六国41-5_仇隟)
洛陽ということは、隣町の
苻丕と苻暉がうまく慕容垂を使いこなす可能性も、ないわけじゃなかったんじゃないかなぁ(大概弱気な推測)。
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