【てんまお】転生したら魔王だった件。
とまと
第1話
俺 田中勇之助。
訳あって、幽体離脱している。
なんでこんな事になったのかと、自分の体を見ながら虚しいやら恥ずかしいやらの気持ちでいっぱいである。まさか、恋人にカッコいい俺を見せたくてスキー滑ったこともないのに滑って気に衝突して、気を失うなんて…
この状況下で思い知らされる事は恋人と親友の裏切り、全然知らなかったよ!?なにそれ!聞いてないっ!叩こうにも叩けない!
叩けないけれど、ムカついたのでと 恋人と親友を後ろからポカポカしていたら
ポンポンと肩?を叩かれた。
あれー?今幽体のはずなんだけどなぁ?
振り返ると、チャラそうなにいちゃんが立っていて
「兄さんまだ死んでないっすよ」
って、笑顔で言うわけですよ。
「え?」ってなる訳ですよ、死んでないんすか!!良かったような悪かったような…
「まぁ、
幽体離脱っーうヤツっす、んで俺 死神っす」
チョリース!!っていう擬音がどこからともなく聞こえてくる。
俺の抗議も聞こえない素振りで、にーちゃんはペラペラと喋り出す。
死神の印象が俺の中で音を立ててと崩れていった瞬間であった
「お兄さん、死んでないっす、あれ気絶っす!まだリミット超えてないっすからすぐに戻れ~ますよ?」
「戻ってもねぇ
あの2人の世界に突入するのは
良い気しないっーか」
俺←いたところに
俺の彼女と俺の親友が裏切って良い感じなんですよね。
「いいんですか?彼女さん取られちゃいますけど」
「いやコレ完全に浮気してたやん!むしろ俺が浮気みたいじゃん!!」
俺の言いたい事をわかってか、知らずか
「まあ、戻ってこの世界が嫌になったら迎えに来ますんでそれまでゆっくりと待っててくださいよ…田中勇之助さん」
と、そいつは笑顔で俺の幽体を元の体に無理やり押し込んだ
まあ、戻った横で いちゃいちゃしてて胸糞悪い気分なわけですよ、唾で吐きたい勢いな訳ですよ
俺が ゆっくり、起き上がったらさ
さっきまでいちゃいちゃしていたのが嘘のように2人は俺を心配していたみたいな~素振りで駆け寄ってきましたよ、偽善者が。
まるで、一部始終見られてないよね~って感じで。
うん、ごめん。一部始終見てたから 真上で。あと、お前らとはもう友達でもねぇし、恋人でもねぇよ?
奇跡的な生還みたいな扱いをいろんなところで受け、悪い気はしなかった。これは、良いけど、その後
当然 彼女とも親友とも なんと無く疎遠になった。
訳は、話さなくてもわかるよね?
そんで、俺は大学のゼミを受けている。退屈だなぁと思いながら…ふと隣をみるとさ、なんか見覚えあるにーちゃんがいるわけ。
何気ない感じで、そのにーちゃんは声をかけてくるんですよ、まるでその学科に前からいましたよ、って感じにさ。
「いいんですか?彼女さんと別れちゃって」
だから俺も 違和感を感じる事なく答えてしまった。
「俺がそんなにお人好しに見える ?」
と、
「いいえ」
「俺、お人好しじゃないから」
軽く笑顔を作って答えた。
「そこで、なんですけど。異世界で魔王やってみませんか?」
唐突すぎてぽかんとなった。あと、聞きなれない単語が聞こえてこいつの頭沸いてんのかな?って思った。
「ちょうど、最近魔王が倒されましてね、ストックが空いてしまったんですよ~倒されないように手配しますしー、やってみせん?」
そんな、『友達が風邪ひいちゃっていけないみたいでー、代わりに一緒に来てよ~』みたいな あまり親しくない同級生に誘われた感じである、出来れば全力で拒否したい。
「…嫌です」
「そんな事言わずにぃー
可愛い子も準備しますしー、勿論魔族ですけど」
魔族か、サキュバスとか希望したいかも。
「おっ、乗り気だね、じゃあ決まり!すぐにでも行けるから寝て目が覚めたら異世界だから!よろしくね~新生魔王様っ!」
バァン!と勢いよく背中を叩かれた
地味に痛いと、思ったら
記憶がそこで無くなっていった。
田中勇之助 20歳大学二年生 主な趣味 鉱石集め。
死神のにーちゃんな背中を叩かれ そのまま転生。
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