第14話 取扱説明書を──

「取扱説明書を読まないという選択肢は、すくなくともわたしにはありませんよ。製作者に対して失礼じゃありませんか。彼らは何度も試作を重ねて、最高の品物をつくってくれたのにちがいないのです。ならば我々は彼らにとって最高の消費者でいなければいけない。模範的に、そして忠実に!」


「そのとおりだね、ミツヤくん」


「おなじ理由で、飴を噛み砕く人間も好きませんね。出された料理に製作者の意図しない調味料を投入するのもいかがなものか」


「まったくそのとおりだね、ミツヤくん」

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