自主企画「短編ミステリの感想を書かせてください４」に参加いただきありがとうございます（遅くなってすみません）。

乙一の「むかし夕日の公園で」という掌編を思い出しました。同じように砂場を舞台としたホラーチックな話なんです。

あの作品とくらべるとストレートな展開だと思うのですが、逆に言うとセンスがものを言う筋書きでもあって、「おさとーさん」が最後だけ「さとうさん」になるところなどはぞわりとさせられました。

ただミステリらしい要素があったかというと疑問で、たとえば女の子の正体にしても（ミステリとしては原則タブーな）超自然現象がいきなり出てくるわけですし、一方で伏線があからさまでほとんどフラグになってしまっているので、ホラーとしてはこれでいいとしてもミステリ的にはどうなのとなってしまいます。

フラグを立てた上でそれを裏切るような発想と納得できる伏線があればもうちょっとミステリらしくなったと思います（もちろん、これは「そうすべき」ということではなく、企画趣旨上たとえで書いただけですので必要なければ聞き流してください）。