011
私は大手企業の正社員で事務職に就いている。
姉だけを可愛がり妹の私のことはまったく褒めない父親をなんとか振り向かせたくて、小さい頃から必死に勉強をしてきた。良い成績を取れば褒めてくれると思ったからだ。
おかげで成績はぐんぐん伸び、難関大学へ入ることができた。そして大手企業にも就職できた。他人から見たら順風満帆な経歴に見えるだろう。
だけど父親は大して褒めてはくれなかった。
私も成人して大人になったからか、もうそこまで父親に褒めてもらいたいとは思わなくなったし、思ったより距離ができていることに気付いてしまった。
母は学生の時に病気で亡くなった。
姉はあんな風だ。
私はもう一人で生きていこうと決めた。
せっかく大企業に入れたのだ。
キャリアウーマンを目指すしかない。
そう目標を立てて働きだして二年目。
まさか残業を断って子供のお迎えを優先しなくてはいけなくなるなんて。
この世に神様がいるなら、本当に恨みたい。
一体私が何をしたというのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます