008

何とか近くの一時預りの予約を取ることができ、私は翌日から仕事に行くことができるようになった。


すずの着替えはもちろんのこと、お昼のお弁当やお茶、おやつにオムツ。準備するものがたくさんありすぎて私の睡眠時間は削られた。

おまけにすずが夜泣きをしたのだ。

落ち着いて考えてみれば、いつもと違う場所でママもいなくて心細かったのだろう。だけどその時の私にそんな心の余裕はなかった。

とにかくイライラして仕方なかった。


預け先の認可外こども園には、朝一で預けに行った。そうしないと仕事に間に合わないからだ。


「すずちゃん、ママにバイバイよー。」


保育士が手を広げてにこやかに話しかけてくれるも、すずは私にしがみついたまま「イヤー!」と悲鳴を上げる。


「すず、いい子だからここで遊んでて。夕方迎えに来るからね。」


「イヤー!」


繰り返しでらちが明かない。

時間は迫っている。

イライラが増す。


大きなため息が出そうになったとき、保育士がいとも簡単に私からすずを引き剥がして、すずを抱っこした。

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