ホワイトボード

うぃる

かきごおり


 アイスは溶けた。溶けたアイス。どうして君は溶けてしまうの?私はまだ食べているのに。勝手に溶けてしまうと食べづらいんだよ。溶けた君を全て食べることは不可能だよ。溶けてカップに付く、落下する。君は私に全てを食べられてほしくないの?全てを食べられるために生まれてきたんじゃないの?


 アイスが溶けた。溶けたアイス。どうして君は美しいのに醜くなってしまうの?美しい形からベチャベチャになった君を見るとなんだか悲しい。君は冷たく美しく美味しそうな形をしているのに。私はまだ美しい君を見ていたいのに。


 アイスと溶けた。溶けたアイス。どうして君は冷たいの?冷たさでしか自分を保てないの?そんなに美しくて美味しいのに、どうして君は冷たいの?君を食べると冷たいのに心は暖かくなるよ。なんでかな?やっぱり美しい君を食べて幸せだから?でも君は冷たいよ。冷たい。


 アイスに溶けた。溶けたアイス。どうして君は美味しいの?食べても食べてもまた君を求めてしまう。あんなにも冷たいのに、あんなにも食べたのに、また君を求めてしまう。


 冷たいから。私は君の温かさを求めてしまう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る