新柏崎日記ーーあやしの「怪異」

暇の三

第1話5年前の事件ーー「姫」


ーー5年前、50人の人間が、「不審死」をとげた


死んだ人間は、老若男女問わず体が、水になっていた


何にも、匂わないーそれがかえって「異常」だ


内臓がない、左腕が半分ない、眼球がない、だが、そのかわりそこにあるのは「水」だ


道に迷った外国人旅行者(アメリカ人)の通報を受け、きた警察の人間が

ーー困惑の表情になった

それもそうだろう、死体のそばには水があって検視しても、溺れ死んだわけでもないことがわかった

まさか、目の前で眼球が水になるまで信じる人もいなかっただろう


ーー水に還る

警察の巡査は、頭の中にそういう考えが浮かんだという

ーーその場所は、警察でさえも名前を伏せていて、インターネットの好事家たちがああでもない、こうでもないと騒いでいる場所だ


ーーーそれは、始まりに過ぎなかった

ーーー日本政府、呪術研究機関の人間が次々と「同じ」死に方をしていったのだ


そして、違うところでも同様の死に方が連続、そのたびに、研究機関の人間も

死んでいった



ーー水を研究する機関によると「悪質なエネルギー」を受けた水ということで

ーー非科学的だが「寺」で念仏を唱えてー清めてもらった


ーー水に還る

ーーーーーー水に還る

ーーーーーーーーーーーその水の構成物質は、9割が「海水」であったという



ーー人は水なしでは生きられない

    --海水より産まれなかった「生物いきもの」は何一つ、ない

それだけが事実

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