侵攻4日目
05:00
A市水道局員、勲章を胸に徹夜の作業の末、破損箇所の応急修理完了。水道復旧。
06:00
B市郵便局、徹夜の召集令状配達終了。だが大半の市民に新聞折り込み公告と間違われ無視される。
07:00
A市長、B市を除き唯一地続きのC町に対し物資供給支援を要請する。C町長は快諾の上、何を勘違いしたのか「無農薬有機栽培のお米」1トンを提供。
08:00
B市長、前日の攻撃失敗をTVによる情報漏れと判断。報道各社を市内から徹底排除。空撮も自衛隊ヘリで阻止する、と強行姿勢。
09:00
A市、攻撃策を錬るが、TVからの情報が途絶えたことを知り、早急に偵察部隊の編成に入る。
09:30
B市内在住、A市出身者有志によるA市ゲリラ部隊発足。武器調達と情報収集に向う。
10:00
「市の命運をかける一尺玉は地元の名人のものでなければ」
という訳の分からない市民の声に動かされ、A市長自ら花火名人に頭を下げに行く。
10:30
B市自衛隊諜報部、A市ゲリラの動きを察知。市内全玩具店を閉鎖、警備。
11:00
A市、偵察部隊をどうやってB市内へ潜入させるかで本部は紛糾。未だ名案浮かばず。
12:00
A市住宅地部隊、昨日より豪華な昼食をご馳走になる。
12:30
プレスからA市長に対し、
「報道官制は敷かないのか」
と質問。市長、
「皆さん、ご自由に」
13:00
B市作戦本部、今度は慎重に攻撃策を錬る。敵市役所が海に面することに目を付け海からの侵攻を検討。ただし防衛策は全く考えていない。
13:30
A市本部、偵察部隊は卓球便を装い、B市東に隣接するD市より潜入することで合意。シロネコトマトに協力要請。また自衛隊の発案により、B市役所の建設、及び修理に当たった者と頻繁に出入りして構造を熟知している者をピックアップすることに。
13:40
シロネコトマトA営業所長より全面協力の回答。偵察部隊の精鋭、4トントラックで偽装し営業所へ向う。
14:00
A市本部、B市役所建設関係者、数名を召集。庁舎の構造上の弱点、侵入経路等の検討開始。土木局、名誉回復のため全力をあげる。
14:30
B市作戦本部、潜水艦で少数精鋭の特殊部隊をA市庁舎に送り込むことに決定。
15:00
B市上空に入ったTV局のヘリ、B市軍自衛隊ヘリより粘液を内包した弾を使った機銃掃射を受ける。窓にべったりと粘液が付き、視界不良となり引き返す。これにより、マスコミ各社は一層A市へ肩入れする。
15:30
B市自衛隊、最後の装備、一尺玉を積み込み、潜水艦出撃準備完了。これをA市ゲリラの一人が目撃。
16:00
B市内A市ゲリラ、衛星携帯電話ピリジウム入手に成功。早速、潜水艦の件を、A市役所に報告。
16:10
ゲリラからの報告を受けたA市役所本部、潜水艦対策に入る。
16:30
定置網で阻止すべくA漁協に協力要請。組合長快諾。即座に船と網の手配に着手。
16:40
若手漁師の提案で、魚群探知機を積んだ小型漁船5隻が潜水艦探査のため出港。無駄とは思いながら、潜水艦にぶつけるために漁協に置いてあった大型船の錨を搭載する。
17:00
召集令状を読んだ馬鹿正直な市民十数人がB市役所に来るも、上からの話を聞いていない受け付け嬢に追い返される。
17:10
B市内A市ゲリラ、捕虜となったA市民の収容場所を探し始める。
17:20
偵察衛星が不自然な動きをする船舶を発見したため、B市作戦本部は一時潜水艦の出撃を見合わせることに。
17:30
ピリジウムの存在を知ったA市長、貸し出しを電話会社に依頼。市の厳しい財政を考慮し10台を要請するが、絶好の宣伝機会と見なした電話会社は100台の無償供与を申し出る。
19:00
A市作戦本部の、B/D市間検問突破策を待つシロネコ偵察部隊にピリジウム100台が卓球便で到着。幾ら卓球便でも異例の速さ。どうやら運送会社も宣伝効果に気付いたらしい。
19:20
後継者不足で普段活気が無いA市漁協、何処から湧いてきたのか分からない若者達も参加して、潜水艦を「捕獲」できる網の種類や強度をテーマに議論白熱。
19:30
A市住宅地部隊、夕食をご馳走になりながら派遣先の家族と個々に作戦会議。ビールも頂く。
20:00
A市ゲリラ、B市潜水艦を見張るも動き無し。
20:30
A漁協、正体不明の若者が、使われずに部屋の片隅で埃を被っていたコンピューターを発見。訝しげに見る老いた漁師達の中、潜水艦の重量、推進力等のデータを次々と入力していく。
21:00
A市本部、攻撃策、検問突破策共に、良い知恵が浮かばずダレてくる。
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