第9話〜桃太郎達の絆〜
「みんな。僕は決めたぞ。」
桃太郎は船を漕ぎながら言いました。
「僕は何があっても、仲間を信じる。
たとえどんな事があっても、恐れずに戦うんだ。」
三匹はそれぞれの場所で長旅の疲れを取っていました。
これから始まる鬼達との戦いに向けて…
「ここに来る途中、道行く人たちが鬼退治に行こうとする僕たち一行を変な目で見ていただろ?」
「ウキ。あれは不愉快だったウキ。」
「………それだけ、危険な旅なんだと思う。」
両手を頭の後ろに回し、船の縁にもたれ掛かりながらフンッと鼻を鳴らした猿に、桃太郎は少し俯いた様な声で言いました。
「でも、どれだけの不安に駆られても…
どれだけの恐怖に襲われても…
誰かを信じる心さえあれば、乗り切れるはずだと思う…」
そう、不安と恐怖に支配されたあの暗闇の中でーーー
必ず帰ると言ったおじいさんを信じ抜いた様にーーー
おじいさんはそれを教えてくれたーーー
桃太郎は心の中で、堅くそう決意すると、
「ワンワン。桃太郎は…おじいさんに、大切な事を教えてもらったんだね。」
「ウキウキ。私らも桃太郎を信じるからさ。」
「ケーンケーン。桃太郎も私らを信じてよ。」
仲間達それぞれの言葉を受けて、桃太郎は舟を漕ぐ手を強めました。
今はこいつらが居るーーー
今はこいつらを信じるーーー
いざ、鬼ヶ島へ!ーーー
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