第十七章 【レイカ】(11/11)
「なーに、鳩豆な顔してんだ。親が呼んだんだろ」
ほんとだ、地下室の時みたいに落ち着きがない感じ。
「じゃあ、やっぱり、ヒマワリのパパが?」
「チゲーだろな。マダラハゲのゾンビはみんな蛭人間になっちまうから。せっかく制服の似合う子を見つけても、血吸ったら蛭人間になるって嘆いてたぞ。バカだろ」
永久に嘆いとけっての。
それじゃあ、だれが親なの?
ココロとシオネがウチの横に立って、両脇から抱えた。ちょっとココロ、脇の下くすぐったいよ。シオネも。抱え方、もうちっとなんとかならない?
「ヒマワリは? 一緒に行こうよ。こんなとこ出よ」
てか、ウチどこに連れてかれんの?
「ばかだな、お前と一緒に出てったらウチがお前に味方したってことになるだろ。ミワが命かけてるってのにそれはできねーの」
「そか」
「ごシューショーサマ。レイカはこれからハリツケゴクモンっと。じゃ、またゼリーよろしくな」
死んだらゼリー届けらんないでしょが。扉しめちゃった。ヒマワリってば。ねーヒマワリ。
ヒマワリは来ないな。決めたら梃子でも動かない。
いいよ、ココロ、シオネ。行こう。連れて行って。
細い廊下だね。今、後ろでドスンっていった。町長室の中で。
ヒマワリ、やっぱり。ごめんね。ウチまた見て見ぬふりした。立っていられるはずなかったんだ、あんなことされて。顔色一つ変えないで、ウチのこと心配させないように。さすがウチらのキャプテンだよ。
ジブンがふがいない。涙とまらない。
ココロ、シオネ、脇くすぐったいって。それと、ゆっくり引っ張ってくれる? 進むタンビに胸の木刀が痛いんだよね。抜いてくれっとありがたいんだけどな。それはダメなのね。
議事堂の扉の前まで来た。
ん? ここで待ってるの?
ギジドーの中に入っちゃだめなのね。わかったよ。おとなしく待ってる。
横から見るとギジドーってこうなってたんだ。ミワちゃんとナナミどこだろ。メタボ町長が前に出てナンカ演説してる。
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