第4話 シンの魔法研究

シンはアルカと別れた後にメモに書かれた宿に向かい夜を過ごした。

シンが思っていた以上に良質な宿で質のいい睡眠がとれていた。



「…んー、そろそろ起きるか」



シンは室のいい睡眠から眼を覚まして一回にある食事スペースに向かった。

そこでパンとスープを朝食として食べ、メモに「重要!」と書かれたギルドに向かった。



(ギルドか、冒険者として依頼をこなしてお金をもらう仕事ねぇ、ファンタジー世界あるあるだな。入ったらゴロツキとかに絡まれるのもよくあるパターンなんだよな、確か、面倒事にはあまり巻き込まれたくないな)



シンがそんな事やいろんなことを考えている間にギルドの目の前についた。

木で作られていたギルドは想像以上に大きく立派なものだった。

シンは多くなドアをゆっくりと開けて中に入る。



「最近、ウルフが悪さしてるらしーぜ」


「昨日お前儲かったんだってな、いっぱい奢れよ」


「ランク上がんねーなー」「お前がそんな簡単に上がるかよ」



ギルドの中はとても騒がしく酒臭かった。

シンは絡まれることなく受け付けらしき場所までたどり着いた。



「新規加入の方ですか?」


「はい、登録と身分証明書が欲しいんですけどすぐに作ることって可能ですか?」



受付嬢がシンに質問を投げかけるとシンは丁寧な口調で返事をする。



「これは当たりねー」


「何か言いましたか?」



受付嬢がぼそっと言うとシンが反応したが軽くあしらった。

シンもとくに追求する意味がないためしなかった。



「カードを作るのはほんの少しの時間で大丈夫ですよ」



そういって受付嬢は後ろの棚から特殊な金属の板を取り出し

受付テーブルの上に置いた。



「このカードに親指を当てながら「登録」と唱えてください」



シンは指示通りに親指を置いて「登録」と唱えた。

そうすると、金属の板の表面に文字が刻まれていった。



「このカードに書かれる情報は、名前、年齢、性別、ギルドランクです、後こちらの空白には犯罪を犯した場合犯罪印が押されることになります」



受付嬢は刻まれた文字を指さしながら説明をした。

真もそれを眼で追いながら確認をした。



「カードはそのまま身分証明書となりますので登録は完了いたしました」


「なんで身分証明書がないのか聞かないんですね」


「ギルド内での冒険者に関係しないことの詮索はマナー違反です。

犯罪印があった場合は別ですが、シンさまは無かったようなので追及は致しません」


「なるほど」



シンは受付嬢の言葉に納得して、いくつかの質問を始めた。



「少し質問なんですが、ギルドランクについてと依頼の受け方を教えて頂けるとありがたいです」


「はい、ギルドランクとはその冒険者様のレベルを表すものです。依頼にもさまざまなレベルがあります。冒険者様のレベルに合った依頼を私たちが承認し、初めて依頼開始となります。シンさまの場合は一番下のランクであるEランクなのでEランク相当と判断されたい依頼を受けることができます。依頼の受け方は受付にて「○ランクの依頼はありますか」と聞くパターンと、依頼ボードに張られている依頼書をはがして受付まで持ってくる方法があります」


「その二つの違いは何かあるんですか?」


「あります。受付でお渡しする場合の依頼は国が依頼をしている、いわば大事な依頼です。なので失敗したときの違約金が大きく発生します。しかし依頼ボードに張られた依頼は個人での依頼が大半です。なので違約金はそこまで発生しません」


「なるほど、わかりました、ありがとうございます」



シンは丁寧な説明にお礼をして、さっそく依頼ボードの近くに行く。


(初めての依頼だからな、何が起きるかわからない状態で違約金の高い依頼を受ける必要はない。しかし、神玉とか言うものを集めるには戦闘訓練も必要だ、どこかのパーティーにでも入れてもらって観察するのが一番いいが、足手まといを連れて行ってくれるほど甘い世界ではなさそうだ、となると確実に安全な場所で魔法を試すのが一番いいな)


シンは少しだけ考えて薬草採取と書かれた依頼書をはがして受付の下に持って行った。受付嬢はその依頼を確認すると、承認用のハンコを押して「いってらっしゃいませ」とだけ言ってシンを送り出した。シンは依頼書に書かれた草原の場所に行って薬草を探し始めた。



「とりあえず探すのが優先だが…どんなのかは全く分からないからな。とりあえず植物辞典でも読んでみるか」



シンはそう呟いて昨日手に入れた魔道具の物がたくさん入るポーチから植物辞典と書かれた本を取り出して読み始めた。



(依頼書には依頼承認されてから依頼失費あとみなされるまでに期間は3日と書かれていたからずいぶんと余裕はある。この依頼を受けた理由もいろんな実験ついでにお金を稼ぎたかったのと依頼を受けてみたかったってだけだからな)



およそ200ページはあるかという植物辞典をシンは30分ほどで読み終えてしまった。



「よし!大体の情報は頭に入った、依頼されている薬草の名前は確か…緑薬草(りょくやくそう)、基本的なポーションの原料となるものが10本だったな。普通の草との判別が難しいが少しばかり背が高いのが特徴…だからこの近くにある。背の高い草をとりあえず集めてからよく見るのが一番早いだろうな」



シンはかがんで背の高い草を黙々と探し始めた。

本来では時間がかかるはずだった薬草探しも植物辞典のおかげで効率よく進めることができた。1時間がたつころにはすでに10本探し終わっていた。



「さて、これで依頼は完了したな…日の高さから考えるに大体11時ぐらいか?ならあと夕食まで8時間ぐらいあるだろう。これだけの時間があれば魔法の練習はできるだろう」



シンは薬草をポーチの中にしまい魔法書を取り出し読み始めた。



『魔法とは魔法適性のあるものが使う一種の技である。魔法には普通魔法、上位魔法、精霊魔法、固有魔法も4種類がある。普通魔法は適正があれば簡単に使うことができ適性のない者も訓練しだいで使うことのできる基本的な魔法である。

普通魔法は合計で7種類がある。炎魔法、水魔法、風魔法、土魔法、無属性魔法、魔法陣魔法、召喚魔法である。

上位魔法は普通魔法の派生で強力な魔法が多い、上位魔法は適正がより大きく関わり、適性がないものは決して使うことができない。

たとえば炎魔法の適性が普通よりある場合は爆裂魔法を使うことができる。他にも水→氷魔法、風+水→雷魔法、土+無→錬金魔法がある。

精霊魔法は精霊と契約したものが使える魔法。上記の魔法と違い精霊が魔法との仲介役になるため魔法の適性がなくともその属性の精霊と契約することができればその属性の魔法を強い威力で使用することができる。

固有魔法はごく稀に突然変異で魔法をスキルとして持って生まれる場合がある。その魔法は常識にとらわれることなく普通では考えられないような魔法の場合が多く、同じ詠唱を唱えたとところで使用することはできない。他の魔法とは比べ物にならないほどの強力な魔法の場合が多い。

本で教えることのできる魔法は普通魔法だけである。魔法には強さに段階がある。強さの段階は…

初級魔法<中級魔法<上級魔法<戦術級魔法<戦略級魔法<災害級魔法<災厄級魔法<災悪級魔法<天災級魔法<神殺級魔法

となっている。最初は基本である初級魔法を教えようと思う。

初級魔法は適性がG+もあれば簡単に習得が可能だろう。

初級魔法の中でも基本中の基本、【火球ファイヤーボール】をまず教えようと思う。周りに人がいないことを確かめてから「火の精霊よ、我の手に球を作らばや、今こそ我にその力を貸したまへ、初級炎魔法【炎球ファイヤーボール】」と唱えてみよう。』



「適性がある場合は詠唱さえ唱えれば練習なしに使うことができるのか…火の精霊よ、我の手に球を作らばや、今こそ我にその力を貸したまへ、初級炎魔法【炎球ファイヤーボール】」



シンが詠唱を唱えると上に向けた掌の上に10cmほどの火の球が出現した。



「おぉ、出た」



シンは静かに感動していると炎の球はすぐに消えてしまった。



(持続することはできないのか?これを攻撃にしろ何にしろ持続してなきゃ意味ないよな…)



シンは火の球がすぐに消えてしまったことを不思議に思いその原因解明の為に本を開いた。



『さて、無事に発動ができた人たち、まずはおめでとう!しかし、魔法を発動したのが初めてだった人はすぐに魔法が消えてしまったことに疑問を感じたのではないだろうか。そんな君にその原因を教えてあげよう。それは魔法に魔力の供給ができていないからである。魔法は魔力によってその事象を保っている。しかし初めて魔法を使った君たちは必要不可欠な魔力を供給できていない。

魔法はその魔法の役割を終える分だけ最初に魔力をもらう当然役割を終えてしまえば消えてしまう。火球ファイヤーボールは出現するのが役目だから持続して火球ファイヤーボールを出現させたかったら魔力を供給しよう。

魔力を供給したかったら心臓部分を意識してまずは流れている魔力を感じよう。その魔力を手から放出するような雰囲気だ。

放出しているときに魔法がある方向に手を向ければ勝手に魔力を供給してくれる』



「なるほど、まずは魔力を感知するのか…」



シンは目を瞑り本に書いてあった通りに心臓部分に集中する。



(確かに何か不思議な感覚が感じられる。心臓から全身に流れる、この流れ方何かに似ているな…)



シンは魔力が流れる道筋が何かに似ていると思い深く考える。



「……血液か、血液の循環経路にそっくりだ。なら魔力を流すのにイメージするのは血液の流れでよさそうだな」



シンは魔力を血液と置き換えて魔力を掌に集める。

掌に体中の魔力が集まり視認できるほどの濃密な魔力が右手に集まった。



(魔力を集めるのは簡単だな、後はバランスだな、こんなに魔力を集めて供給したら魔力が空っぽになりそうだ)



次は掌だけでなく体の隅々まで意識しながら魔力を操作する。

魔力は掌から体の隅々まで行きわたりバランスよく魔力を維持させることができた。



「こんな感じか…維持できるか試してみるか、火の精霊よ、我の手に球を作らばや、今こそ我にその力を貸したまへ、初級炎魔法【火球ファイヤーボール】」



シンは掌に魔力を集中させながら【火球ファイヤーボール】を発動させた。

今回は【火球ファイヤーボール】は時間がたっても消えることはなかった。



「魔力が失われる感覚ってのはいやだな…血が抜かれてる気分だ」



シンは嫌がりながらも自分の持続時間の検証のために魔力の供給をやめなかった。



「もう約10分か、体にある魔力からも計算するに当分の間はなくなりそうにはないな」



シンは魔力の供給をやめて、また本を読み始めた。



『魔力を感じようとは言ったが多分できなかっただろう、落ち込んでいるそこの君…心配しなくて大丈夫だ!みんな最初はできなくて当然だ。こればっかりはどうもイメージしづらい、そこでコツを教え「これは運よく大丈夫だったら飛ばすか…」

さて、魔力の供給について語ったがこれをできるのはまだ先で大丈夫だ。なかなかこれは難しい、初心者諸君には難しい技だ。次は…』



この後は他の属性の魔法や他の初級魔法について書かれていた。

シンはその魔法を夕食の時間までに栄賞を含めて全てマスターすることができた。

シンは宿に帰り一回にある窓に近い席に座り夕食を頼む。



「すみませーん、夕食の用意お願いします」


「はーい、少しお待ちください!」



少し待つと奥にある厨房から一人の女性が食事を持って出てきた。

女性はシンの顔を見てほほを赤くして目を合わせないようにしながら食事を机の上に並べた。



「し、失礼します」



女性は一礼して急ぎ足で厨房に帰って行った。

シンは何も気にせずに目の前にあるご飯に手を付けた。



「あ、あの人すごくかっこよかった…名前聞いても失礼じゃなかったかな、聞きたかったな…」


「シーナどうしたの?」



奥の厨房の中で看板娘のシーナとその母親のメリーがそう会話する。



「な、なんでもないよお母さん」


「そう?あら、顔赤いけど大丈夫?」


「大丈夫!大丈夫!何もないから!」



シーナは顔の目の前で手を振って顔をより一層赤くして否定する。

「あらそう?」と言ってメリーは料理に戻って行った。

シンはそんなことも知らずにもくもくと料理を食べていた。



(これは何の卵だ?この肉は…やわらかい!この世界の料理はこんなにもうまいのか、火星に行ってからは研究が忙しくて妹の美穂みほとの食事以外まともな食事を取らなかったからな…美穂みほは元気か心配だな、俺がいなくなって悲しませてるだろうし、早く戻らないとな)



シンはそう思い急いでご飯を食べ終えて二階の部屋に向かった。

部屋に入るとベットの上に座り魔法の復習を行った。



(今日で魔法は13種類も覚えることができた。一番の問題だった詠唱の暗記も仕組みさえ分かれば簡単だった。詠唱の一文一文にはそれぞれ意味がある。【火球ファイヤーボール】でいえば、「火の精霊よ」の部分には何の属性の魔法を使うか、それ魔法を使用するにあたっての精霊への呼びかけ。「我の手に球を作らば」の部分は魔法の状況設定。そして最後の「我にその力を貸したまへ」は最後の締め言葉、貸してほしいという願いを込めている。結局は最初は使いたい属性の精霊に呼びかければいいだけ。最後はどの魔法も変わらない。間の分が一番の難関だったがこの詠唱はたまたまかもしれないが日本の古典に酷似していることが分かった。なら訳せばいいだけだから簡単だ。本当に俺が気になるのは本に書いてあったスキルについてだ)


『さぁ、この時点でいろいろな種類の魔法を教えてきたがここでステータス石があるものは割ってスキルの部分を見てほしい。スキル欄に魔法についてのスキルがないか確かめてほしい。

スキルの概要については普通じゃ見ることができない。名前で判断ができない場合は知り合い、もしくは教会で【解析】のスキルを持つものに頼んでみてもらえ』



(この文が正しければスキルの概要は【解析】というスキルで見ることができる。俺はそのスキルを持っている。せっかくだからスキルを知っておきたいからな)



シンはポーチからステータス石を取り出して割った。

シンの目の前にステータスが表示される。



「【解析】」



シンが【解析】を発動すると頭の中にスキルの情報が流れる。



【記憶追憶】

・一度記憶したものを瞬時に思い出すことができる。

・記憶力が上がる 


【解析】

・そのものの名前、性質、状態などの情報が頭に流れる。


【魔力操作】

・魔力の操作がスムーズになる


【魔力消費減少】

・魔法を使用した場合の魔力の消費量が減る。


【人類語理解】

・人類語を瞬時に使用することが可能になる。


【能力獲得】

・能力(スキル)の獲得が簡単になる。


【神の加護】

・LUKが一段階上がる

・何かしらの恩恵がある


【勇者解放】

・勇者の力を解放するスキル

・使用条件を満たしていない場合は使用不可(現在使用不可)


【成長促進】

・能力値が上がりやすくなる


【思考加速】

・思考が加速して周りの動きが遅くなる


【状魔変化】

・魔法のシステムを変化させる


(…状魔変化だけはいまいち理解できないな、文から推測すると魔法のシステムを変更だが、まず魔法のシステムってまずなんだ?システムも一応情報だよな…なら【解析】でいけるか?)



「火の精霊よ、我の手に球を作らばや、我にその力を貸したまへ【火球ファイヤーボール】…【解析】」



シンは【火球ファイヤーボール】を見ながら【解析】を発動した。

その瞬間に頭に魔法の情報が流れた。



[解析結果]

詠唱が唱えられる→対象の魔法が発動

設定してください→発動中止



(ふむ…システムっていうのは理解した、しかし変更の仕方がまだわからないな、

【状魔変化】使うのは確かなんだが使い方がな…したいことを口頭で言ってみるか?)



「【状魔変化】詠唱が唱えられる…削除、成功か?【解析】」



[解析結果]

設定してください→対象の魔法が発動



「成功したか…なるほどな、どのくらいのことができるかわからないが使えるな」



シンは【状魔変化】を使って何ができるか考える。



「よし、まずこれ以上詳しく【解析】できないか試してみよう…【解析】」



シンの頭の中に情報が流れる。



[解析結果]

設定してください→対象の魔法が発動



「対象の魔法を【解析】」



[解析結果]

対象魔法=形[球体]…名称[火球ファイヤーボール]…大きさ[1]



「できたか…なら【状魔変化】形[楕円]に変更」



シンがそう唱えると綺麗な球体だった火球ファイヤーボールが楕円になった。



「結構自由にできそうだな…」



シンはさらに【状魔変化】を使って魔法のシステムを変更させていった。



「次の実験は…【状魔変化】名称[火の球]に変更。【解析】」



[解析結果]

魔法の情報にエラーがあります。



「…変えられない部分があるのか?」



シンは一回魔力の供給をやめて火球ファイヤーボールを消した。

そしてもう一度詠唱を唱えて火球ファイヤーボールを出現させた。



「【状魔変化】詠唱[火の精霊よ、我の手の上に火球を作らばや、我にその力を貸したまへ【火球ファイヤーボール】]に変更」



(俺の考えが正しければ新しい詠唱を唱えれば使えるはず…)



「火の精霊よ、我の手の上に火球を作らばや、我にその力を貸したまへ【火球ファイヤーボール】」



シンは一度手の上にあった火球ファイヤーボールを消して

新しい詠唱を唱えた。しかしいつまでたっても火球ファイヤーボールは出現しなかった。



(おかしいな…二つの失敗から何かわかることはないだろうか?)



シンは顎に手を当てて熟考する。

シンは何かに気がついたかのように目を開く。



「そうか…既存の魔法との差がどちらの失敗の時もないのか」



シンはまた詠唱をして手の上に火球ファイヤーボールを出現させる。



「このまま詠唱を変えた場合は同じ魔法を表すものが二つになってしまう。

名前を変えた場合は同じ詠唱にもかかわらず出現する魔法が二つになってしまう。

だからどっちも失敗したんだ…だから、どちらも同時に変えれば問題はない」



シンは手の上にある火の球を見ながら【状魔変化】を発動する。



「【状魔変化】詠唱[火の精霊よ、我の手の上に火球を作らばや、我にその力を貸したまへ【火の球】]に変更、名称[火の球]に変更」



シンは火球ファイヤーボールを消して新しい詠唱を始める。



「火の精霊よ、我の手の上に火球を作らばや。我にその力を貸したまへ【火の球】」



シンの実験は成功した。シンの手の上には火球(ファイヤーボール)と同じ魔法が出現した。



(成功したか…これで魔法のシステムの中に【火の球】が登録されたのか?

まぁ、使えるようになったってことはいいだろう、【状魔変化】で魔法を作るには

ベースの魔法を決める必要のがあるのが難点だな、しかしこの能力は使い方によっては強力な武器になる。いろんなことを試していかないとな…)



シンは寝ることなく【状魔変化】の実験をし続けた。

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