第18話・戦闘準備
ゴブリン退治の依頼を受けたシャロは、見分役のラニーと共に目的のポックル平原へ向かっていた。
「改めてよろしくお願いします、ラニーさん」
「こちらこそ、よろしくお願いします。ガリアから一人での仕事は初めてと聞いていますので、分からないことがあればなんでも聞いてください」
「えーっと、それじゃあさっそくなんですけど、いくつか質問をしても大丈夫でしょうか?」
「大丈夫ですよ」
「今更こんなことを聞くのはどうかと思うんですけど、ゴブリンの戦力はどれくらいなんでしょうか?」
「えっと、ガリアから何も聞いていないんですか?」
「その……実は凄く緊張していたので、ゴブリン退治ってこと以外は聞いてなかったんです」
「そうだったんですか。えっと、私がこの仕事で最初の見分を受けた時は七十匹ほどでしたが、前回までで三十匹ほどまで減ってますね」
「前回まででってことは、この仕事を請け負った方が何人か居るってことですよね?」
「はい、シャロさんの前に三人の冒険者がこの依頼を受けましたが、全員死亡しています」
「全員死亡ですか」
「ええ、最初に仕事を受けた駆け出しの冒険者二人は数に押されて殺されました。そして次に仕事を受けた熟練の
――駆け出し二人の方は分からないでもないけど、いくら油断してたからって熟練のソルジャーがそう簡単にやられたりするかな。
「そんな話を聞くと、私も不安になりますね」
「不安な気持ちは分かりますが、最初に比べれば敵の数はかなり減ってますし、きっと大丈夫ですよ」
「だといいんですけどね。そういえば、熟練のソルジャーは油断してやられたと言っていましたが、どんな風にやられたんですか?」
「群れを
「なるほど、あっちにもマジックエンチャンターが居るわけですか、それは油断できませんね。それでは分かる範囲でいいので敵の構成を教えてください」
「分かりました」
こうしてシャロはラニーに話を聞きながら歩き進み、2時間後には目的のポックル平原近くへと辿り着いた。
「見たところゴブリンは居ないみたいですね」
「おかしいですね、前回までは平原をウロウロしていたんですが」
「ということは、近くにある森のどこかに隠れて獲物を待っているのかもしれませんね」
「そうかもしれません」
「……このまま様子を見ていてもしょうがないですし、ここからは私だけで進んでみます」
「大丈夫ですか?」
「絶対に大丈夫とは言えませんが頑張ります。
シャロは自身に強化魔法をかけたあと、自身のベルトの両サイドに付けていたポーション入れの中身を再確認した。
「それでは行って来ます」
「はい、お気をつけて」
準備を整えたシャロはラニーを残して平原を進み、周辺にある森の方へ向かい始めた。
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