第14話

 あれから1年。私は、その海に住み着いた。小さな民宿で働いている。


「おはよう!ツバメのおねーちゃん!」

「おはよう、今日も元気だね。行ってらっしゃい。」

「いってきまーす!」


 明るい近所の子供達。優しい民宿のオーナー夫婦。楽しそうなお客さん。笑顔ばかり。悪くなかった。


 透き通る海と、透き通る目が重なる。


 どこにも居たくない気持ちは、少しずつ薄れていた。

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