桃太郎と犯罪

 桃太郎。

 子供が親に読み聞かせをねだる絵本のひとつであるが、それだけではない。

 そもそも絵本は、国や時代が違う物語であることが多く、現代社会とは価値観が異なる。

 子供の頃は気付かなくても、成長したら気付くことは多い。

 

「今日は桃太郎における法律上の問題点を考えてみましょう」

 

 授業の題材としても役に立つ。

 

「お爺さんとお婆さんが桃太郎を自分の子供にしたのは、未成年者略取誘拐罪だろう」

「それ以前に桃を持ち帰って食べようとしたのは、遺失物横領罪になるんじゃないか?」

「いや。お爺さんは山で芝刈り、お婆さんは川で洗濯することを仕事をしていた。地主から許可されていたのだとしたら犯罪にはならない」

「しかし、赤ん坊が入るくらい大きい上に、別の場所から流されてきたんだ。普通の桃でないことは一目瞭然なのだから、届けるべきだろう」

 

 たった1ページにも突っ込みどころは満載だ。

 

「桃太郎は法律を無視してやりたい放題だな」

「ああ。鳥獣保護管理法に違反して犬猿雉を仲間にするし、銃刀法に違反して刀を所持するし……」

「鬼ヶ島に不法侵入して宝を奪ったのは間違いなく強盗罪だし、下手をすれば殺人罪も犯しているぞ」

 

 絵本は子供から大人まで楽しむことができる。

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