すきやき

「あのさ、突然だけど好きだったんだ」

送信ボタン 押すか押すまいか 迷ったテキスト

意を決して送信


「何が?」

予想通りの返信 いつも通りの短文

「ほら、今 テレビでやってるすきやきがだよ」 

「ほんとだ! 美味しそう」

こうして「好き」は日常会話に溶けていく

すきやきの焼き豆腐みたいに

いつまで煮込めばいいのだろう?


大切なことは言えないまま日常は続く


嗚呼 好き妬き


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