第22話


 次の日の生活もあるため、俺は無理やり眠りについた。

 さすがに、一日動いていたのもあるし、作ったベッドはふかふかなので眠りにつくのに問題はなかった。

 そうして朝。


 小鳥の鳴き声に起こされた。

 ……あー、今日もよく寝た。

 今日からは五月か……五月……五月!?


 俺は驚いてすぐにガチャ画面を開いた。

 そこにあった薬師ガチャは消滅し――。


『五月記念! テイマーガチャ開催!』


 ……て、テイマーガチャ!?

 俺は驚いてそのガチャ画面を確認する。


 ピックアップされているスキルを確認する。

 ピックアップされたスキルは、合計3つだ。


 召喚士、魔物指南、魔物使役


 ……なるほどな。

 鑑定スキルを用いて調べたかったが、スキルの詳細は手に入れてからでないと分からないようだ。

 ただ、魔物に関するスキル、か。


 以前手に入れた飼育術も似たようなものなのだろうか?

 それとも、あれは魔物以外に関係するスキルなのだろうか? ……だとしたら、ゴミだぞ。このあたり、普通の動物なんてそれこそ小鳥くらいしかいないからな。


 今回のピックアップは魔物を仲間にすることに重点を置いているといったところか?


 とりあえず……これらのスキルを狙ってガチャを回していくに決まっている。

 俺はさっそくガチャを回すことにした。


 ……ポイント、ためておいて良かったな。

 これからも、目的のスキルを獲得し終えたら、ポイントは残しておいたほうがよさそうだな。


 まずは一回目だ。

 十一回ガチャのボタンをタッチする。

 銅色が5つ、銀色が2つ、金色が3つ、虹色が1つ、か。


 どちらかといえばハズレ。ただ、昔ほど悲観はない。


 力強化 レベル1

 力強化 レベル1

 魔力強化 レベル1

 俊敏強化 レベル1

 耐久力強化 レベル1


 次は銀色だな。

 

 剣術 レベル1

 魔物進化術 レベル1

 

 おっ、魔物進化術か。

 これは初めてみるな。早速、鑑定してみよう。


 魔物進化術

 魔物を進化させられるようになる。


 ……これも魔物の強化がメインだろう。

 といっても、魔物がまだいないからどう使うのかわからない。


 次は金色だな。


 土魔法 レベル1

 火魔法 レベル1

 水魔法 レベル1


 ここも仕方ない。新しい魔法はなしか。

 そして最後だな。

 虹色は恐らく……ピックアップされた新しいスキルたちのどれかだろう。


 召喚士 レベル1


 ……お、おお! これは大当たりなのではないだろうか!? テイマーガチャなんだから、召喚士が一番のあたりだろう。

 俺はさっそく召喚士を使用してみる。


 すると、呼び出す魔物を選択する画面が表れた。

 ……ん? んん?

 期待しすぎてしまった俺は、遅れて鑑定でスキルを判断することにした。


 召喚士

 契約した魔物を任意の地点に召喚する。


 ……つ、つまり、魔物と契約する必要があると。

 現時点では何も使えないスキルだった。まさかのハズレか。


 ま、まあ……まだあと5000ポイントある。

 次のガチャに期待しよう。

 連続でガチャをするのはこれが初めてだ。


 ……数日かけて一生懸命貯めたポイントが一瞬で消えていくのは、なんだろうな。恐怖と同時にどこか喜びもあるな。

 俺はすぐに、次のガチャを回す。


 まずは……おお! 虹色演出だ。

 ただ、少し思ったのは、実はこれってハズレではないかということだ。


 今回のガチャの開催は5月31日までとなっている。

 4月はガチャのスキルを確認したあと、家に幽閉されていた期間などがあり、一ヵ月まるまるこのスキルと向き合うことはできなかったが……今回はあと一ヵ月もあるのだ。


 虹色に関しては、最短で12個当てればレベルマックスになるからな。

 そんなに焦らなくても、レベルマックスまであげるのは苦労しないんじゃないだろうか?


 ……まあ、今はあたらしいスキルを試したい気持ちもあるから、とりあえず全種類ほしいな。

 ぽぽんっと宝箱から玉が出る。

 銅色5つ、銀色2つ、金色1つ、虹色3つか。


 虹色3つは大当たりのほうだ。ただ、金、銀が少ないのがちょっと残念だな。


 まずは銅色からだ。


 力強化 レベル1

 魔力強化 レベル1

 俊敏強化 レベル1

 器用強化 レベル1

 耐久力強化 レベル1


 お、一種類ずつ出た。ちょっと縁起いいかも。いや、そんなのはどうでもいい。


 次からが重要だ。


 地図化術 レベル1

 感知術 レベル1


 ……うーん、まあ悪くないかな。

 どちらも優秀なスキルだ。槍とか短剣とかあそこらへんが出るより全然マシだ。


 金色の玉を確認する。


 付与魔法 レベル1


 体感ではあるが結構出にくいので、これは素直に嬉しかった。

 残りは虹色か。

 一つずつそろってくれ!


 魔物指南 レベル1

 魔物指南 レベル1

 魔物使役 レベル1


 ……おっ、でた!

 やった! これでとりあえず全部そろったぞ!!

 さっそく、魔物指南を確認する。


 魔物指南

 魔物が成長しやすくなる。


 ……短い説明だが、つまり魔物にも俺のようなステータスがあり、それが成長しやすくなるということか?

 今後、魔物の要素は大事になってきそうなので、このスキルは純粋に必要になりそうだな。


 魔物使役も調べようか。

 魔物使役

 倒した魔物を仲間にできるようになる。


 ……倒した魔物を仲間に、か。

 倒した魔物……ということは殺してはいけないということだろう。

 魔物相手に殺さずに戦うというのは難しいな。


 ぱっと浮かんだ仲間にしたい魔物は、ミツベアーだ。あいつが仲間にできれば、一緒に戦ってくれるかもしれない。

 ……他に仲間にしたい魔物は……カウとか? 牛だから、牛乳とか回収できるようになるかもしれない。


 料理術と合わせれば、問題なく飲める牛乳が完成できるだろう。

 あと、非常食になりそうだし……。

 そこそこに賢いゴブリンとかもそうだな。


 ゴブリンなら、畑仕事などを手伝ってくれるかもしれない。

 ……とにかく、このスキルを試しに行くとしようか。

 スキルのレベルアップを行いながら、俺はまず実験としてゴブリンを使役することにした。


 

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