第2話 親友(1)

「りんー」


 私は親友のりんに泣きながら相談する。


「伊月からひどいこと言われたのー」


 昨日会った時のことを全部話す。


「そっか」


 りんは私の一つ一つの言葉にうなずきながら反応してくれる。


「ねえ」


 私は思い切って尋ねる。


「私が転校してから伊月はずっとあんな感じなの?」


 りんは難しい顔をして、一言。


「違う」


 え?


 驚いて立ち上がると机の上の麦茶がこぼれた。


「あ、ごめん」


 急いでふく。


「伊月くんはね、瑠香るかちゃんが帰ってきてから、ああなったの」


「じゃあ、わたしのせいってこと?」


 唇を尖らせる。


「誰もそうはいってないんだけどなあ」


 りんは頬をかきながら苦笑い。


「伊月くんは素直になれないだけなんじゃないかなあ」

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