『自主企画用設定』女神からの九十九人の刺客

負け犬アベンジャー

プロローグ

ご挨拶

 はいどーーもーーー!


 わたくし、女神代理の天使の、タントロンと申しぃます。どうか名前だけでも覚えていって下ぁさい。


 皆さまはなんでこんな所に集められたんだろう、いきなりなんで転送されたんだろう、疑問に思ってるかと思いますので、そこのところ、ご説明させて頂きぃます。


 まずここは神聖世界、神さまが在わす次元になっておりぃます。天国の一つ上、と認識して頂ければわかりやすいと思いぃます。


 そして、ここに集まって頂いたのは皆さまに殺し合いをしていたこうかなと、あぁ静粛に静粛に、何も皆さまにここで殺せというわけではございません。


 えーー、見えますでしょうか、あちら、私の背後に並ぶ扉、それぞれ番号がありまして、順に01番から、02番、03番と並びまして、最後は99番となりぃます。


 つまりここに扉が九十九個、ありまして、その向こうにいる戦士九十九人、それぞれと一対一で戦って頂きぃます。


 扉の向こうは様々なバトルフィールドが広がってまして、詳しいことはこの場ではお教えできませんが、まぁ最低限空気と地面はあるのかなぁ、と。


 はい。それで、戦いにおいて細かなルールが三つ、ございます。


 まずひとーつ。扉は一人で通ること。


 一対一、ですんで当たり前ですね。それに付随しまして、持ち込める物もご自身の足で扉を通せる物に限定させて頂きぃます。


 また扉を通れるのは一度だけ、何往復したり、荷物を投げ込んだり、はたまた逃げ戻ることはできまぁせん。


 一度選んだ扉は変えることはできません。また事前に中の情報を知ることもできません。


 ただ一点、ドアノブにダイアルがございまして、これをいじると時間帯だけはコントロールできぃます。


 具体的にはですね。まず一番上が日の出の時刻で、それから右回りに時が進んで一周で一日、刻まれた目盛りは十二当分でして、一目盛りが二時間となっておりますのでご注意くだぁさい。


 それと、扉は通った後、消滅して引き返せませんのでご注意くだぁさい。


 これが一つ、そしてふたーつ。バトルフィールドから出ないこと。


 このバトルフィールドというのは扉を通った先の空間なのですが、ざっくりと宇宙と同じだけの広さがあります。その中で逃げ回れてもキリがないので、場内と場外を区切らせて頂いておりぃます。


 具体的には場内はご利用なさった扉を中心に縦横高さ合わせて半径1kmの範囲内、その外側が場外となっておりぃます。


 そしてこの場外というのが三つ目に関連してましてぇ。


 えーー、みぃーーつ、決着はどちらかの生命反応が十秒以上、消失した場合のみその人の敗北となりぃます。そしてそのことでしか勝敗は決まらないぃです。


 生命反応とはまぁ、ざっくりと言えば命ですね。これが無くなる、死亡した場合は敗北、となりぃます。


 この判定がですね、場内における、細かいところは秘密なのですが、センサーにより判定しておりましてぇ、つまりは場外に出てしまった場合はそのセンサーから外れてしまい、生きていても反応の消失、つまりは敗北、となるわけですね。


 これはそれ以外にも関係してまして、例えばワープとか、ステルスとか、そういったもので十秒、検知できなければ問答無用で敗北、となりますのでご注意くだぁさい。


 それと不殺との縛りプレイの方はこの方法で場外に追い出すことをお勧めいたしぃます。


 えーーー、ここまでが扉の向こうでの殺し合いのルールとなりますが、補足がございます。


 決着後、勝利なさった場合、自動で元の世界へ転送されぇます。


 その際、お望みであれば、任意のダメージを取り除くことが可能です。それはこの戦いだけでなく、その前からのダメージ、ご病気ですとか、お怪我ですとかにの有用です。


 万が一残念なことに敗亡なさってしまった場合は、生死問わずにそのまま放置、との形になりますのでご了承くだぁさい。


 はい。ここまで、一通りご説明してきましたが、何かご質問、おありでしょうか?


 はいそちらの方、はい、えーー、それはなぜ戦わなければならないか、ということで、はいわかりました。お答えいたします。


 なぜ戦うか、一言で申しますと、それは女神様がご所望だからです。


 深い理由など、私めには推測も及びません。ですがここで戦い、勝利すること、それが女神様がお望みのことで、それに答えるが下々である我々の義務、だと存じておりぃます。


 それと、皆さまの中に万が一、ですが、不誠実というわけではないけれど、戦わないことが女神さまへの渾身だ、とお考えの方、おられると思いますし、現に過去、おられました。


 その方がどうなったかと申しますと、えーーー、お足元、ご覧ください。


 こちら、大理石なのですが、よーーーく見て頂くと、この文様、動いているのが分かると思いぃます。


 この文様、一つ一つが戦うことよりもここで皆さまを応援しようと選ばれた方々になりぃます。


 どちらをお選びになるかは、皆さまのご判断にお任せいたしぃます。


 最後に、こちら、00番の扉は練習用となっておりぃます。


 内容はほぼ、他の扉と同様ですが、勝敗問わず、完全復活で、この場に転送されますので、よろしければご利用ください。またご利用できるのは一名さまにつき一度きりなのでご注意くだぁさい。


 それとですね。後ろをご覧ください。そちら、コンビニなっておりぃます。品ぞろえは普通のお店通りに揃えさせていただいておりぃます。お一人様一万天円まで、ご自由にお買い物くだぁさい。もちろん、扉の向こうへ持ち込み可能です。


 以上ですね。では、少し長くなってしまいましたが、皆さまのご武運、期待しておりぃます。


 ご静聴、ありがとうございぃました。

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