第6話 混乱

今日、実家に行ってきた

父が肺がん再発かもしれない…という検査結果の知らせを聞いて2日たっている


昨日は妹と会って話した

でも、近くにある実家には寄らなかった

時間的に難しかったのもあるけど…それも事実ではある…けど…たぶん言い訳の気がする


妹の前では、わりと毅然として話しはできた

でもそんな自分は…そう見せてるだけで…



…つまりは…父親に会うのに、自分には2日も必要だったということなんだ。


気持ちの整理が本当はまだついてない

ショックで、辛くて、父の顔を見ると泣き出しそうで……

本当はすぐ会いに行ってあげないといけないんだろうに……勇気がなかったんだ


車で5分もかからない距離。


今日は行かないと逆に変だ。。


明るく明るく…


いつも通りいつも通り……


冷静に冷静に……


いつもと同じように、「ちわ〜」と言いつつドアを開ける



……いつも通りの父と母がいる


深刻な話はどうしても避けれないけれど…

なんとなくお互いいつもの何気ない会話に戻そうとしてる感覚……


食欲もある

熱もない

血圧も安定してる

咳もそんなにしてなんかいない



やっぱり会っても現実に起こっていることが分からなくなる


検査結果の報告書を見せてもらう

現実が突きつけられる


父を見る

いつもと変わらない


何も変わってなんかいない



混乱してしまうだけじゃん……







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る