第50話 もう1人の最高戦力

俺達は選手控え室にいた。


ナタリア先輩と作戦会議をしている


「凛くん、初戦なんだけど本気出しちゃダメだよ?」


「でも、相手は日本の名門の一族なんでしょ?」

「そんな緩く戦っていたら勝てないんじゃないですか?」


「私も今回は凛に賛成です」

「凛も私も手を抜いて勝てる相手じゃないと思います」


俺と結衣の意見は珍しく一致していた

俺達は学院内でしかだ戦ったことがない

世の中での自分達の強さが分からない


「大丈夫だよ、黒桜 玲はともかく黒桜律と葵なら大丈夫だよ!」

「この私が保証する!」



ナタリア先輩は自信満々のようだ

しかし、国家最高戦力が相手となると

なんだか不安は払拭されないんだよな〜



「だって、私も国家最高戦力の1人だもん」


「えっ?」

俺と結衣は同時に聞き返してしまった

ナタリア先輩も国家最高戦力?



「あれ?言ってなかったっけ?」


「全然聞いてませんよ!」


俺と結衣はナタリア先輩に詰め寄る

結衣はあることに気付いたらしい



「もしかして、黒桜玲とナタリア先輩がお互いに国家最高戦力だから今回の大会は黒桜玲はダブルマッチに出場しているんじゃないですか?」


えっ?

俺は話の内容について行くので精一杯だ

結衣は話を続ける


「国家最高戦力同士の戦いは日本の機密情報の漏えいや会場の安全性を確保する点で禁止されているの!」


「凛くんと違って結衣は鋭いね〜」

「前回大会の成績もあって私も今年の春に日本の国家最高戦力になったんだよね〜」


なるほど、本当はナタリア先輩が

黒桜玲と戦うことが最善の策だけど

法律上、国家最高戦力同士の戦いは禁止されている

だから、史上最強の中二病である俺に白羽の矢が立ったのか



「もしかして、先月の生徒会副会長の一件からこの流れは計算されていたんですかナタリア先輩」


「........てへっ♡」



俺は高校1年の5月の段階で国家最高戦力と戦うことが決まっていたらしい



月城学園が東西魔法選手権に勝つためには

俺を黒桜玲にぶつけるしかないってことで

ナタリア先輩と、副会長が仕組んだ罠だったらしい

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