第1010話 37枚目:探索開始
てな訳で、
「ところで、エルルとニーアさん、本気でそのまま走るつもりですか?」
「もちろんです! 速さには自信がありますからね!」
「お嬢の乗ってるそいつの全力ならともかく、警戒しながらの並足程度なら問題ないぞ」
「というかエルル、隊長業はいいんですか?」
「独立部隊って体にはなってるが、本来はお嬢の護衛が本業だからな」
なお、外で待機したり不測の事態に対応する役目はサーニャと第7番隊時代の副隊長さんに任せてきたとの事。うん。まぁ。エルルは『勇者』になったから、
移動中の注目模様は省略。特にルイシャンは目立っただろうな。もう気にしないけど。超低空とはいえ空を走っているからか、揺れもほとんどなくて快適だったとだけ。
私をパーティリーダーとして、えーと、それぞれの馬(相当の生き物)も含めると、17人パーティか。まぁ普通に組めてるので良しとして。流石に他の『アウセラー・クローネ』のメンバーとは時間をずらしている。緊急事態が発生するとあれだから。
「出来るだけ奥地へ向かうつもりですが、基本は安全を重視しつつ仕掛けの看破を最優先で。相手の力を削ぐ目的もありますので、
「……。なんか途中おかしい部分がなかったか?」
「どこでしょう」
とりあえず病気の方が対処しづらいので、重力、「拉ぎ停める異界の塞王」の方から行ってみようか。
で、挑戦してみた感想は、というと。
「総じて何もかもが面倒ですね」
「身も蓋もないな……」
正直に言い切ると、エルルからあきれた声が返ってきた。だが事実だ。迷路の規模が大きいからそう感じにくいだけで、マップの縮尺を変えてみれば随分と入り組んだ複雑な迷路になっている事が分かる。
罠とモンスターの難易度はこの竜都の大陸相応で、入り口付近でそれという事は奥の難易度はもっと上。移動距離と時間はお察し通り、というか、内部に安全にログアウトできる大きな部屋があったので、そこを拠点にする必要があるだろう。
幸いと言うべきか、そうでないと無理というか、マップは固定かつ共通のようだ。そしてモンスターは一度一定の範囲を一掃すると、そこからのリポップはかなり時間がかかる仕様になっているらしい。
「まぁ、陣取り合戦ですよね。こちらの神々の干渉を押し込みながら補給線を構築して、奥へ進んでいく。そういう事なのでしょう」
中継基地候補地付とはご丁寧な事だ。
なお、中継基地を作るにあたって、大量の資材の運搬に私が。中継基地という事は、そこへの神域ポータルによる転移が可能になるかも知れないという事で「第一候補」が司令部から協力を依頼されている。
「その辺はどうなんでしょうね。あるとしても、もうちょっと奥のような気もしますが」
まぁ移動手段というか、移動距離と速度は個人差が大きいからな。当たり前だが
それに、リポップまで時間がかかると言ってもリポップしない訳ではないのだ。中継基地を維持する為には、戦力が周囲を探索、警戒し続ける必要がある。
「……事と次第によっては、他の形でも活用する事になるかもしれませんし」
例えば奥から出てくる何かへの防衛ラインとか、内部全体への攻撃に対する安全地帯とかな。
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