第7章 第13話

グオォォォ…


先に進むにつれてボス戦が楽になっている気がする。

やはり完璧な防御を見せるドリッピーを最前衛に、

俺とHoneySwordが近距離、ErsterSpielerが中距離、Seregranceが遠距離から攻撃。


初見のボスならいざ知らず、経験者も多いもんだから困ることもない。

いつものように俺が不用意に突っ込んで、ジタバタしたくらいだ。


「あたしを打ち負かす程対人戦は強いのに、ほんとボス戦は初心者なんだなぁ。

 ゲームとして楽しめてるようで何よりだよ。」

『この辺のボスは、必要になったら調べようと思って予習してなかったもんで…』

「もうあなたがジタバタするのは、ボス戦の風物詩だと思うようにします。」

ErsterSpielerはともかく、HoneySwordにも呆れた顔をされている。


「ちょっとくらい慌てる姿を見せる方が、人間味があって良いと思うわよ。」

「うんうん。これくらい人間臭い方がファンもどんどん増えると思うよー。」

Seregranceとドリッピーからも合いの手が入る。



「おめでとうございます!第11エリアをクリアしました!

 次のエリアに進みますか?」



システムメッセージに応答していると、ドリッピーがさらに続ける。

「ボク、さっきのギャラリーにもエアスタさんとスピさんのファン見つけちゃったもん。」

『いやいや、さっきのギャラリーはみんなエアスタさんのファンだろう。』

「あ、まぁそうなんだけど、プレイヤーネームがね。」



[ErsterSpielerさんの決定が反映されました。]

「それでは第12エリアへ転送します。新しいエリアを楽しんで下さいね。」



「VersuchSpielerって名前の人見つけちゃったんだ。」

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