第5章 第9話

★★★スキル。死者蘇生。

対象となったプレイヤーはHPが半分の状態で蘇ることができる。

死者蘇生で蘇った場合、パーティーの生き残りに関わらず、

その場で戦績に負けが追加される。


あぁ…なんて俺におあつらえ向きのスキルなんだろうか。


『セレ…一体いつからこういう状況を想定してたんだよ。』

「もちろんこのスキルを手に入れた時からよ?」

『まったく…人使いの荒いこと、この上ないね。』

「ふふっ。…ありがとうは?」

『ありがとう!最高の使い方だよ!』


[はい] を掴み取るように拳を握りしめる!

まず狙うべきは後列の弓2人!


音も無く蘇生が終わり、見下ろしていたはずの身体が立ち上がると

まるで吸い込まれるように視点が一致する。


さっきSeregranceに弓で撃たれ、最後方に下がっていた弓持ちに駆け寄り、

無言のままメイスで殴りつける。


HPが戻り切っていなかったのか、防御力が足りなかったのか。

一撃で崩れ落ちるのを見ながら、続けてもう1人の弓持ちにも攻撃。


ドサッ


「おっ、おいっ、な、なんで生きてるんだ!」


崩れ落ちる音に残る5人が振り返り、全員が驚愕の表情を見せる。

その隙に、一気に駆け寄り連続攻撃を叩きこむ。


「リッピーさん!ここからは私たちも闘うわよ!」

「やっと出番だー!スピさんの仇うったるぜー!」

いつの間にか片手剣に持ち替えていたSeregranceが、リッピーと共に参戦してきた。



こうなってしまえば3対5。

倍に足りない程度の数は、問題にならない。


ドリッピーが弾き、Seregranceが崩す。

俺は最前列で攻防しつつ、無防備になった敵をついでに狩る。


こうして俺たちのチーター疑惑を晴らすための戦いは決着した。

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