みちこさんと正田くん

空飛ぶゴリラすん

第1話「みちこさんと正田くん」

はじめまして。



私の名は「みちこ」と言います。



カフェのできる洋菓子店


「アンガトーシュクレ」


の厨房の中で、ケーキを作っている45歳のパート社員です。



パート社員といえど、ほぼ毎日フルタイムで働かせていただいていて、忙しいながらも、やりがいある仕事ができて、毎日が充実しています。



まぁ悩みがあるとしたら、最近少し太ってきたことですかね。


「ぽっちゃり」


しちゃったから、ダイエットをしたいなぁと思っています。



私事なのですが、私には今年で付き合って10年目になる彼氏がいて、その彼とは気も合うし、私はバツイチなのですけど、彼とゆくゆくは結婚できたらいいなぁと思っているんです。



こんな今の現状の私に、気になることが一つあるのです。



それは



「アンガトーシュクレ」で、共に厨房に入っている社員の「正田くん」のことなのです。



正田くんは性格が穏やかな25歳の青年なのですが、



ズバリ言いますと



「正田くんは私のことが好きなのかもしれない」



ということです。



いや私の勘違いだとしたら恥ずかしいのですが、そう思ってしまう事が色々とありすぎるのです。



私と仲の良い厨房のリーダーの山中くんから聞いた話なのですが、正田くんは、


「恋愛に年齢は関係ない」



と、日頃から言っているらしく



ぽっちゃり体型が好きで



「お腹ぷにぷにフェチ」



らしく



今現在、正田くんは



「好きになってはいけない人を好きになっている」



らしいのです。




そんな正田くんと、私は仕事中に厨房の中でよく世間話をするのですが、この前私が正田くんに



「いま好きな人はいないの?」



と聞くと



「それは言えません。これがバレたら職場にいられなくなりますから」



と言ってきたのです。



それに以前、正田くんから質問されたことがあって



「みちこさんは美人って言われるのと、可愛いって言われるのと、どっちが好きですか?」



というもので、



「なんでそんなこと聞くの?」



と問い返したら



「いやぁまぁ…」



とバツが悪そうに、はぐらかすし、



私が仕事中に視線を感じて振り向くと、正田くんが私を見ていて、目が合った途端に目を逸らすし、



これって私の勘違いじゃないって思うんです。



明日からもまた正田くんと一緒に仕事をします。



これからも彼と上手く仕事をしていけるでしょうか。


またみなさんにお話を聞いていただけると嬉しいです。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る