すべり台

 彼女(あるいは彼かもしれないが、便宜上彼女と呼ぼう)は人気者だ。


 朝は鳩の群れが彼女の周囲に集まっている。

 昼には人間の子どもたちが前方からも後方からもやって来て、彼女を取り合おうとする。

 そして夜は、猫の集会所となっている。


 どんなに叩かれたり突かれたり、上に乗られたりしても、彼女は愚痴一つこぼさない。ただ自らの境遇を認め、皆を受け入れている。

 そういうものに、わたしはなりたい。

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