詩人ゆらく

   

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はじまり


地球の誕生をぼくは知らない。

アダムとイヴをぼくは知らない。

おはようといつから言うようになったのか、ぼくは知らない。

あの街路樹がタネだった時のことを、ぼくは知らない。



自分が生まれた時のことも覚えていないのだから

当然なのかもしれない。

それでもどこか寂しい気持ちになる。

ぼくははじまりをなにも知らないと。



今日、はじまりを知った。

ほんとうのはじまりは十月十日前かもしれない。

もっと昔、二人が出会った時かもしれない。

それでも初めて、“はじまり”に触れて、ぼくは泣いた。



生まれてきてくれてありがとう。

お誕生日おめでとう。

これからよろしくね。

すごく素敵なはじまりだから、きっととっても楽しくなるよ。

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