第20話 両手に〇〇

 これから先、俺はあいくる椎名をなだめる役割を担うことになった。その最初の仕事は首尾が良かった。カホウが妥協案を示してくれたからなんだけど。


「こうなっては仕方ありません。勇者様の両手をお借りしましょう!」

「えぇっ!」


 俺の、両手を? どういうこと? 重い荷物でも持たされるのかなぁ……。それは、思った通りでとても重いものだった。ただし、とっても甘いものでもあった。

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