第652話 ミロスラーフとクサーヴァー

そこには、見た顔と、もう1人、見た事あったっけ?っていう顔があった・・・・

ミロスラーフともう一人、青年が其処にはいた。


おっさん固まったよ。何でこいつら堂々とやって来たんだ?しかも客人?


おっさんが入ってきた後に、次々と人がやって来る。

ミロスラーフと縁のあるナターリヤ。いや、彼女は先にいたっけ。

後はミロスラーフと何かあったか?おっさん知らないな・・・・忘れただけか?

どうやらもう1人の青年らしい・・・・

アルフォンシーナがやってきて、その姿を見て固まっているからだ。


ミロスラーフとその青年が立ち上がり、ミロスラーフがしゃべり始めた。

「シラカワ殿、その節は大変ご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳なく思っております。息子共々先ずは謝罪をさせて頂きたい。」


そう言っていきなり二人して土下座を始めたではないか!

おっさん一体これは何の茶番?とか思いつつ、驚いてその場で固まってしまったよ・・・・

そしてアルフォンシーナが・・・・

「クサーヴァー?貴方クサーヴァーね?随分探したのよ?」

そう言っている間にヨーリス君やライナス君、同じパーティの女性3人がやって来る。

最後にリューク君とその奥さん、何だっけ?エルヴィーラの姪っ子?エリザヴェータだ。今思い出したよ。

そしてこのクサーヴァーと呼ばれた青年も土下座のまま

「アルフォンシーナ様・・・・それに皆さん・・・・今まで申し訳ございませんでした。」

そのまま床に頭をくっつけちゃったよ。

みんな固まってる・・・・


一体どうしたんだ?


するとライナス君がおっさんに耳打ちしてくれてね。

《彼は元々私達のパーティメンバーだったんですよ。途中で魔王に味方するような形で別れましたが。アルフォンシーナ様が機会があれば探していたですよ。》

《そう言えば1人なんかそう言うのがいたね。すっかり忘れていたよ。だけど何で今更?》


皆そう思っただろうね。


まあ兎に角だ、話だけでも聞いてみようか、今のミロスラーフからは、敵対しようという感じがしない。

あ、和佳は知らないよな。

【和佳、一応警戒しておいてくれ。あいつは敵対してたんだ。妻や無子達に悪さをし、魔王に味方・・・・はしてたっけ?色々おっさんの周囲でちょっかいかけてきててね。ここ何年も姿を現してなかったからすっかり忘れてたけど。】


【わかりましたわ。精霊達にもそう伝えておきます。】

だけど驚いた事に、ミロスラーフは精霊の気配が分かるのか・・・・

「ご心配尤もですが、私に皆様に危害を加える理由は存在いたしませぬ。無駄に精霊をお使いなきよう。それと、疑うようでしたら、何らかの拘束具を使用されるか、隷属化してもらっても構いませぬ。」


するとナターリヤが

「今更何をしに来たミロスラーフ。」

「ナターリヤ殿、話は長くなりますが、宜しいか?」

「ふん!貴様がどう言い訳するか聞いてやろうではないか!それでよいか婿殿?」


いつも思うけど、ナターリヤがおっさんを婿殿って言うのはおかしいんだよ?

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