第564話 次に取り組んだのは、高出力の炎の制御

おっさんが使用している炉は、相当な高温に耐える・・・・はず。

鉄以外にミスリルを打ったりしてたからね、ミスリルが何度が融点とか沸点なのかは知らんけど。

まあ、別に沸点まではいいから、溶かすのが目的だから融点だよね。

鉄を溶かすのは1500度ちょっと・・・・1600度くらいあればいいのかな?

だけど、ミスリルは明らかにもっと融点が高いんだよね。


チタン並み?

鉄が溶けてもこいつは溶けてくれない。

そして、チタンが溶けてもミスリルは溶けてくれなかったよ・・・・


おっさんやった事ないけど、クロムやパナジウム並みじゃないのかな?

多分想定温度は2000度。


こんだけ高温にするには相当な魔力を使うんだよね。


そう、おっさんの使用している炉は魔道具なんだよ。

だけど、その製法は秘匿されていてね。

おっさん、この炉を作る所を見せてもらえなかったんだよね。


で・・・・話がそれたね、すまんね。

この炉はオリハルコン、アダマンタイン、ヒヒイロカネ、全てを溶かしてくれたよ。


多分3000度いってるんじゃないかな?

今までで一番高温にしたからね、剣を打つ時、これらの素材を入れるのにね。


だけどね・・・・この素材を混ぜ合わせた時?温度が足りなかったようでね、精霊はこの温度不足をカトリーンのブレスで補ったんだよね。

それも素材に直接ブレスを浴びせるという、とんでもない方法。


まあこのあたりも、また精霊と魔石か?

火の属性の精霊がいればね・・・・


「マスター、私と同格の火属性の精霊を、常駐させますか?」

いいのかそんなので?

「えっと、精霊ありきの魔道具になっちゃう?」

おっさんそう聞いてみたよ。

「それでよろしいのですわ。私達精霊は、それぞれ属性がありますから、その属性を活用して頂ければ、これ即ち幸せですわ。」


「えっと、この場合、火属性の精霊が魔道具に収まれば、その火属性の精霊は幸せなのかい?いまいちその幸せな基準がわからないけれど?」


「それは仕方ありませんわ。主だった4属性、火、水、土、風。これらは精霊の過半数を超えておりますから。あ、先ほどの魔道具には既に精霊が待機していますわ。」


・・・・いつの間に・・・・

「回復魔法とか結構特殊なわけだけど・・・・そう言ったのが得意な精霊もいるの?」

「ごく少数ですが、存在いたしますわ。それに、属性のない精霊も存在していますから。ちなみに私は属性がないですよ。」


・・・・属性がない精霊って何なんだろうね?

精霊そのものがよくわからないけど・・・・


色んな物とかに宿ってるとおっさん勝手に思ってたからね。


あ・・・・そんな事を思いながら・・・・ちなみに今回は火属性の顕在化した、あのきつい見た目の精霊さんが手伝ってくれてるんだよ。

因みに彼女は火属性。もう燃えるような見事な赤毛だよ。


そして・・・・見た目きつい感じとは裏腹に、繊細な手つきとすごい集中力。そして・・・・その見た目で勝手に思い込んじゃってたけど、気配りができて優しかった・・・・

あと、しぐさだね。


「ええと、赤毛の精霊さん、ありがとう。細かい調整助かるよ。」

ちょっとこの精霊さんに声をかけると・・・・


「ふふ。マスターからお褒めのお言葉を頂戴いたしましたわ。ありがとう・・・・」


そしてきつめの顔つきなのに、おっさんを見上げる上目使い・・・・

あ、笑うと意外に可愛いんだよ。うわ・・・・ギャップが・・・・


あ・・・・こんな、集中しないといけないのに、精霊さんを見つめちゃって、そんな状態で魔道具作っちゃったよ。


で・・・・出来上がったのが・・・・


”すんごい焔がでるよいちごうくん”


うん?なんで焔なんだ?

焔?炎じゃないんだ?火でもない・・・・?

え?何これ?


「あ、ごめんなさい・・・・私マスターの秘書をほんのぽっちり妬んでたの。だから・・・・ごめんなさい。」

何故か謝る赤毛の精霊さん。

「でもおっさんの求める機能はあるんだよね?」

「はい!それは勿論です。今回のはその・・・・おそらくマスターの想定より激しい炎になるかと・・・・」


・・・危険じゃないよね?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る