第542話 精霊 Side 3

このヒューマンの鍛冶スキル・・・・がない?いや、まとまったのか・・・・


もう一つの塊を打ちやすい形状にし、水魔法で急激に冷やす。


『此の先にブレス!』


「うう・・・・」


竜族の女が辛そうじゃが悪いが諦めてくれ!


こうして仮宿を打つ槌が完成じゃ!


この男・・・・回復材を持っておるな。

どんどん飲もう。


回復魔法の使い手も怪しいから渡す・・・・


『これを飲んで回復し続けるのだ!』


「旦那様・・・・?様子が変・・・・ですわ?」


「ちょっとどうしちゃったの?目が変だよ?何その輝いちゃってるの?」


しまった・・・・しかしもう気にしても仕方がない。


竜族の女にブレスを吐き続けさせ、槌で打ち付ける。


たまに手でなぞる。


精神力を流さねばな・・・・


本来なら我々4体、それぞれの仮宿をまず用意するのじゃが、時間がない。

なのでここは大剣を打ち、そこに一度入るしか・・・・


暫くして、満足のいく大剣ができたのじゃ・・・・


一時的に、この男の精霊使いのスキルで、この剣に移動・・・・

間におうた・・・・


じゃがこれでは・・・・


背に剣を括り付け、別の剣を打ち始める。


『もっと回復を!手がなくなるではないか!』


「ひい・・・・」


『もっとブレスを!』


「主よ・・・・あんまりじゃ・・・・妾はこれほどブレスを吐いた経験はないぞえ・・・・」


『もっとじゃ!もっと回復を!ブレスを!』


必死に打つ。いつまでこの男の中にいられるかわからないから。


何やら視線が気になる・・・・

あれは風を扱う娘かの?

精霊の力はなさそうじゃが、それに近いものがあるの?いやあるのかの?


そしてその背後におる3人じゃ。

あ奴らは精霊の力を扱えるな。


しかもじゃ、この場におるゆえ・・・・この風使いもそうじゃが・・・・どうやら精霊を扱う事が出来つつあるようじゃな。つまりは精霊を認識し、理解できるという事じゃな。

竜族の女はブレスを吐いてもらっておるゆえ気が付いてはおらんようだが・・・・


さらにこの3人は、どんどん精霊使いのレベルが上がっておるな。

この男意識がないというのに何をしておるのじゃ?


剣の形が整ったので、また触りつつ精神力を流す。


いい感じに精神力が働いておるの。


中は居心地がよさそうじゃ・・・・



4振りの剣が出来上がったので、風使いと精霊使いの4人の女に、剣を託す。


わかっておるの?鞘までは無理じゃったが、今はその布でよい。


ああ・・・・すまんな回復魔法の使い手よ。それに竜族の女よ。


で、いよいよこの4振りの剣に移ろうと思ったのじゃが、うまくいかぬ。


これは・・・・4体が一緒にいすぎたのか?同化しつつある?


その時、この男は目を覚ます。


我々も疲弊しておったので、この男の体の制御を維持できず、返すことに。


だがその前に、この大剣をいつまでも背負わすわけにもいかんな。


何とか大剣を炉に立てかけ、もっと良い場所がないか見渡すが・・・・見当たらぬの。


ここでこの男の意識がしっかりし、我々は制御を全て返すことにした。


4振りの剣に・・・・移れるのか?

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