第272話 賢者

「あーよく寝た!」

何だか気持ちよすぎていつの間にか寝入ってしまってたよ。

そして周りを見ると・・・・みんな寝てる?

おりょ?何かおかしいぞ?

全員一度に寝るなんて今までなかったんだけど?

しかも赤ん坊までぐっすり寝てる。おっさんまだ実は寝てて夢の中?

うーん・・・・

ナターリヤやウェンディ、エルヴィーラが軒並み寝てるのもおかしい。

食事に何か入ってた?

妙に冴えてるんだよ、感覚が。

こんな事今までなかったなあ。

仕方ないのでおっさん起きて歩き出したよ。

一応周りを見渡しても誰も起きてない。

そして気が付けば今いる建物の外へ。

そして何かに導かれてるのかどうか知らないけど、妙に気になる方向へおっさん進んでみたよ。

そして何やら沢山の人の気配のする建物へ入っていったんだけどね。

お、何やら話し合ってる。

一応気配消しとこう。


・・・・流石は女王様。久しく現れなかった賢者様を見つけて下さるとは


そんな事ない。見つけたのではない。必然


この時期に賢者様に来ていただけたのは何か意味があるのでしょうか?


そんな気にしなくていいよー精霊が騒いでたから一般の冒険者に紛れてダーリンに接触したら、いつの間にやら・・・・なんだから!


精霊様にも感謝ですな


私達そろそろ発情期。そろそろ授かりたいから薬用意して


女王様と賢者様のお子なら・・・・


我々の導き手となって下さるのでしょうか?


時間がかかるからね!そうそう、私にも薬用意してね。多分今回はイケるから!私が男の人に抱かれるなんて想像してなかったけど、ダーリンにはすべてをささげられるのよ!


おお!精霊女王様!


・・・・

・・・

・・



あれファートとサージュだよね?

何言ってるんだ

賢者っておっさんの事なんだよね?


発情期って何?

そして薬って?

また何か怪しげな薬を盛られて種馬のごとくハッスルしまくる事になるんだろうか?

それは勘弁してほしいなあ?

おっさん、今のは聞かなかった事にして静かにその場を去り始めたんだけど・・・・


建物の出口付近まで来た時、ふと何やら気配を感じてね。

後ろを振り返ると・・・長がいたよ。

おっさん今まで気配遮断のスキルを使ってバレた事なかったから驚いたよ。


「賢者殿、驚かせてしまい申し訳ない。先ほどの話を聞いておられたようで、説明の手間が省けるので助かるのじゃが、賢者殿は我々エルフについてどこまで知っておられる?」

??コソコソして盗み聞ぎ?を咎められるのかと思ってたけど、何やら違うようで。

「えーどこまでって言ってもね・・・・ファートとサージュしか会った事なかったし、そうだなあ・・・・人間と違い長寿で、長を含めても見た目が整いすぎてるし、何やら人とは違う感覚がある感じかな?そして、何やら怪しげな薬を処方してるって事ぐらいかな?」

「そうかそうか、賢者殿は博識だのう。」

・・・・博識っていうほどの事じゃない気がするけど・・・・

「大体合っておるのじゃがのう。我々エルフは長寿じゃ。おそらく人間の100倍ほど生きる事ができる。しかしその長寿故中々子を授かれぬ。かくいう私も6000年以上生きてきて、子は3人だけじゃ。一人は別の森へ旅立ったが、2人は我の元におる。近いうちに引き合わそう。」

・・・・6000年?どんなけ長生きなんだよ?

「ちょっと考えられない長さですね・・・・」

「そうなのじゃ。あまりにも長く生きすぎるが故、生きる目標も見失いがちでのう。それに賢者殿は恐らく何度かエルフの薬を服用しておるはずじゃが、効き目がきつかったであろう?」

「あ、そうそう、それ聞きたかったんだけど、もう記憶が無くなるぐらい凄かったんだけど?」

「御二方に託した薬はエルフにとっては普通の薬なんじゃが、エルフは人間の薬では効果がほとんどない故、人間よりも効果のある薬でないと薬の効果が出ないのじゃ。恐らく普通人間が服用する薬の10倍ほどの効果があるのではないかと思うておる。」

げっ!あの2人なんてものを飲ませたんだよ!


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