第207話 勝負あり!

「あなたの・・・・勝ちだわ・・・・辺境伯・・さ・・・ま・・・・あなたの・・ことは・・・・うわさで・・聞いてたわ・・・・知ってたら・・・・おそらくは・・・・ゴフッ」

あ、あかん、血を吐いた・・・・

痛すぎて魔術が・・・・先ずはポーション。おっさん自分にポーション使ってね。

みるみる傷が回復してね。

そして、この娘に飲まそうとしたけど・・・・駄目だ。血を口から吐いて、とてもじゃないが自力で飲めそうにない。

仕方ない・・・・口移しで飲ますか・・・・おっさん、口にポーション含んで、ウェンディの口の中に押し込んでね。一瞬ビクッとしてたけど、一口飲めたのかみるみる傷が回復してね。

お互い腹の傷が無くなったので、おっさん魔術で回復させたよ。


ウェンディ、よく見たらおなかの傷以外にも、全身の骨が砕けていてね。おっさんの魔術で何とか元通りになったけど。


そして、フラフラになりながら、ウェンディが立ち上がってね。

「あ・・・あんたが・・・・本当にここの領主様なの?もしかして私、とんでもない事してしまってた?」

「気にしないでいいよ。君みたいな女性、今までいなかったしね。改めて自己紹介をするよ。おっさんは白河小次郎。ここの責任者であり、領主だよ。今は辺境伯をやってる。」

「そ・・その・・・ごめんなさい!わ・・・私・・とんでもない事を!伯爵さまに怪我をさせてしまうなんて・・・・どうやって詫びをいれたらいいのか・・・・」

「・・・・それは気にしなくてもいいよ。名乗らなかったのはおっさんだし・・・・」

「でも、名乗らせなかったのは私よ!」

「まあいいじゃない、お互い無事なんだしさ。それより、そのヘルメットはいただけないねえ。そうやって顔を出してくれるほうが良いよ。こんな別嬪さんなんだからさ。」

「え・・えええ!私そんなに良い顔してるのかしら?そ・・その・・・・胸だって・・・・店長さんとかに比べたら・・貧相だし・・・・」

「おっさん胸で妻を迎えたりしないよ。それより、賭けは成立するんだよね?」

「賭けって・・・・えええ!そう言えば・・・・とんでもない賭けしちゃってた・・・!ど・・・どうしたら・・・・?」

「まあ、落ち着いて・・・。おっさん、賭けをしたとはいえ、無理に妻にはなってもらおうとは思ってないからさ。それより、ニーナの事も賭けにしちゃってたよね。」

「あ、そうでした!どうしましょう!」

「それも心配ないよ。実は・・・・向こうはおっさんの妻になりたがってたからね。これを契機に結ばれるって・・ほら、めっちゃ喜んでるよ。」

「ほ・・・本当だ・・・・どうして男の人と結ばれたがるんだろう?」

「ウェンディ、君は男と良い想い出はないのかい?」

「男なんてみんな下品でいやらしいけだものよ!」

「おっさんもけだものかい?」

「そ・・・それは・・・・わからないわ!」

「なあ、取り敢えず落ち着こう。君の事もっと知りたいし、ちょっと店で落ち着いてから色々話をしようか?」

「は・・・はい!そうして下さると助かります。」


あー久しぶりに痛かったよ・・・・

そして、この娘さん、流石にS級。強いよ!速いし!でも、何でおっさんの工房で下着の試作してるの?


そう思いながら何故かニーナがいつの間にやらおっさんの腕を取り、もう反対側はウェンディがしがみついて・・・・三人で店に向かったよ。

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