第147話 ロートレック公爵領の面々、おっさんの店に来る
急遽3人がおっさんの店に来る事になったんだよね。
ロートレック公爵も、現状の取引はあまり快く思っていないようだけど、自分の父の決めた事を覆すのは難しいらしく、現状に歯がゆい思いをしていたそうな。
なので渡りに船?
おっさんがひょとしたら事態を改善してくれるのではないかと感じたみたいで、3人が今すぐおっさんの店に行くのをあっさり許可してくれたよ。それどころか、
「そういう事なら私も行こう!」
そう言って3男、4男を引き連れおっさんの店に同行する事になっちゃったよ。
やはり長男次男は留守番。
「留守中、お任せください。そしてロートレック公爵領の未来をお掴み下さい!」
なんか凄い事言っちゃってるジェミヤン君。
どうやら彼も現状を快く思っていないようだ。
そしてここにいる全員がモーヴェ商会をよく思っていないようだ・・・どんな商会なんだ?モーヴェ商会って。
まあトレイナー商会の誰かに聞かないと分からないけど、あくどい商会なんだろうか?
カトリーンが珍しくおっさんに言ってきたよ。
「ゲートの使い方は妾にもわかるのでな、先ずは主よ、先に帰って準備をしてはいかがなものかと思うのじゃが?」
カトリーンが先に行くのではなく、おっさんを先に行かそうというのは、暗におっさんが先に行く事でおっさんの安全を確保しようと思ってるんだろう。
ロートレック公爵家のメンバーがそれに気が付いたのかどうか、おっさん先に戻ったよ。
で、オリアーナを捕まえる事が出来たので、ロートレック公爵領での話を、モーヴェ商会について聞いてみたよ。
そうしたらオリアーナ、あまりいい顔してなくてね。
「ロートレック公爵領の取引相手って、よりにもよってモーヴェ商会なのね。旦那さま、あの商会はいいうわさを聞かないのよね。むしろあくどい、買い叩いた作物を高値で売りつけるので有名なのよね。」
・・・・やはりそんな所か・・・・。
「何となくそう思ってたんだよ。ロニーさんとは連絡つくかい?できれば同席してほしいんだけどね。」
「今は帝都にいるんじゃないかな?ちょっと行ってきて連れてこよっか?」
「オリアーナ頼むよ。」
流石オリアーナ、行動が早い。
早速帝都のトレイナー商会と繋がるゲートで行っちゃったよ。
そしておっさんが店への受け入れ態勢を整えるべく、その場にいたアルフォンシーナとアメリータに店にロートレック公爵領の面々が来ることを伝え、先に店へ行ってもらって受け入れ態勢を整えてもらうべく伝言を頼んだよ。
アルフォンシーナ親子はたまたま教会へ出かける前だったからよかったよ。
アルフォンシーナには店に伝えに行ってもらい、アメリータには、他のメンバーたちに店に集ってもらいたいので探しに行ってもらったよ。
そしておっさん、店につながるゲートをもって、ロートレック公爵領へ戻ったんだよね。
「主よ、随分と速く戻ったものじゃな。もうよいのかえ?」
カトリーンがそう言っておっさんをねぎらってくれてね。
「カトリーン、心配ないよ。オリアーナを捕まえられたからね、よかったよ、店にいなくて。たまたま昼の休憩で食事をし終わった所だったみたいでね。」
「それは何より。主よ、こちらはもう準備は出来上がっておるぞ。早速出発でよいのかえ?」
「ああ、大丈夫だよ。ロートレック公爵、リュシエンヌ、大丈夫かい?」
「シラカワ辺境伯、大丈夫だよ。先に息子達に行ってもらうよ。信じてないわけじゃないのだが、公爵の身に何かあっては大事なのでね。これでも貴族の当主なのでね、我先にとはいかぬのだよ。」
まあ、色んなしがらみがあるんだろうね。
「わかりました。では息子さん方、私に続いて下さい。カトリーンが指示を出しますので。」
そう言ってカトリーンにその場を任せ、おっさん達は順次店に向かってゲートを使ったんだよね。
勿論、何事もなく全員無事にゲートをくぐり終わり店に到着。
ちゃっかりメイドさんも来てるあたり、店に期待してるんだろうね。
これから大事な話があるんだけど、女性陣はおっさんの店に過剰な期待感があるのか少しそわそわしてるんだよね。
そこへロニーさんを従えたオリアーナが戻ってきてね、今は店の奥のゲート設置してる場所でね、おっさんの家にも、店にも複数のゲート設置してるんだよね。
身内だけなら家のゲートを、それ以外でのゲートは今の所、店を経由してるんだよね。
なので、この場で鉢合わせたわけなんだよ。
「ロニーさん、来てくれてありがとう!」
「なんのなんの、しかしよりにもよって、モーヴェ商会と事を構える事になるとはね!」
ロニーさんもモーヴェ商会はあまり快く思っていないようだ。
え、この場で軽く各々を紹介して、店の応接室に向かったんだよね。
応接室もいくつかあってね、今回は複数の人と対話ができるよう広めになっててね、もはや会議室?ってな感じでね。
ざっと20人ぐらいは座れるようになってて、今回はこのぐらいの部屋が良いかな、と思って広めの部屋にしたんだよ。
で、早速全員に座ってもらい、今後ロートレック公爵領の取引をおっさん達が請け負うのかどうか決める重要な情報交換、話し合いが始まったんだよね。
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