第63話 おっさん、ダンジョンへ
『マスィールダンジョン』
おっさんは知らないんだけど、有名なダンジョンらしく、名をあげたい冒険者、一獲千金を夢見る冒険者、自分の実力を知るために挑む冒険者・・・
それぞれ色々な思惑がある中、毎日沢山の冒険者が挑み、あるものは二度と戻らず、あるものは財宝を土産に帰還、あるものは命に関わるような怪我をし、自身の考えの浅はかさに後悔をし、あるものは・・・・いつの間にか流れで行かさせられる事に・・・・ああ、これおっさんの事ね。
どうやらこのダンジョン、マスィールと呼ばれており、運命のダンジョンとも言われているらしい。
運命の出会いでもあるのかい?
これ以上妻が増えるのは勘弁願いたいけれどね。
「準備はいいかい?みんな。」
何か仕切っちゃってるなあ、S級。
「完璧。」
「必要なものはそろっているわよ。問題ないわよ。」
「何度もダンジョンに挑んでいますので、何が必要かは把握していますから、心配いりません。」
流石みんな余裕だな。
「大丈夫だよ?ダンジョンなんて行った事ないから適当だけど。」
おっさん、ダンジョンって、てっきり昔のRPGみたいに真っ暗なのかと思ったけど、明るい・・・・
ダンジョンなので地下に進むらしいけど、壁じゃないよね?これ。岩?
洞窟・・・ってのも違うのかな?
低層階は観光もできるらしいから、こんなもんらしいけど、下に行けば行くほど強いモンスター・お宝に出会えるらしく、低階層は初心者か、ちょっとダンジョンに入ってみたいと思う人であふれかえっていたよ。
S級がいるからこんな低階層はさっさと通り越し、どんどん下へ向かっていく。
ある程度進むと洞窟みたいになっていて、いきなり暗くなったよ。
で、美女2人は明かりの魔術でおっさんの周りを明るくしてくれてね。
まあ、この明かりを目指して襲いに来るモンスターもいるらしいけど、暗い場所で戦うよりは、リスクがあるけど明るい所で戦うほうが良いらしい。
ダンジョンって何なんだろうね?
奥に行くほどに人がいなくなり、時々モンスターが襲ってきたよ。
いやーおっさん、相変わらず?血を見るのが苦手でね、あんなに切ったり殴ったりよくできるなあと感心しちゃったよ。
で、こういった所で悩むのが、ずばりトイレ。
おしっこ我慢したまま戦いたくないよね。
どうやらそこらにしちゃっても問題ないらしく、暫くしたらダンジョンが取り込むらしい。
なんじゃそりゃ?
あれか?ダンジョンって生きていて、異物を消化吸収しちゃうの?
ダンジョンで死んじゃったら死体も残らないってやつ?
お宝もこのダンジョンで死んでしまった冒険者の所持品だったり?
おおこわ!
まあおっさんには関係ないよね?
深く考えるのやめとこう。
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