第51話 おっさん、罠を作る
冒険者ギルドで聞いた話によると、暁団は元々インダルチャンス王国を拠点に活動をしていたパーティで、ランクはA。どういう訳かひと月ほど前にセアリアス帝国へ。
その後、あちこちで目に余る行為をしたうえ、とうとうおっさん達の店を焼いてしまうという蛮行へ。
Aランクほどのパーティであれば流石にどこまでなら許容範囲かというのがわかっているはずで、今回のはあまりにも常軌を逸した行為。
で、調べてみると、最近セアリアス帝国で不審な死を遂げた冒険者が多数存在する事実が発覚。
この他、街中で女性を襲う事件や強姦、盗難などが相次ぎ、生存者や被害にあった人々の証言から暁団のメンバーと断定。
当然ギルドも今回の行為を見逃すわけにはいかず、除名処分へ。
しかも、このまま放置するとさらに犠牲者が増える可能性もあり、ギルドとして討伐対象へ。
暁団のメンバー構成、ステータス、スキルが晒され更にはS級冒険者の動員も行い追い込みをかけている真っ最中。
そこで、疑問なのが、どうして暁団が突然このような行為に及んだのか、である。
どうやらインダルチャンス王国がバックに控えていて、どんな事をしてもインダルチャンス王国へさえ行きさえすれば許される契約を王国としているのではないか、というのであった。
最近、インダルチャンス王国はかなり荒れていて、特に国王夫妻と王国の幹部たちの動きがきな臭く、何やら密命を受けているのではないか、というのであった。
・・・・うーん、どうなんだろうね?あいつらそんなに賢く思えなかったんだけどなあ。
もしかして陽動?派手に動き回って、本命はひっそりと行動しているとか?
まあ、間違いなくおっさん達なんだろうね、特におっさん。
あいつらが盗んだスキルをおっさんが持ち逃げしたから追いかけてきてるんだろうな。
「じゃあ、そんな感じで頼むよ」
「わかったよ!あたいに任しといてよね!」
またしても熱い抱擁をおっさんにしつつトレイナー嬢はどこかへ。
「頼んだでー」
うーん、お嬢ももう少し時と場合を弁えてほしいんだけどなあ。
おっさん、今は例の依頼を引き受けてくれたパーティメンバーのうち、特に実力のあると判断した2人の美女、ファートとサージュと共にいるんだよね。
この2人、おっさんにトレイナー嬢が抱きついてきた時、すごいジト目をしてきたんだよね。
あ、ちなみに、他のメンバーは、メーネアちゃんと香苗ちゃんの護衛と暁団をここにおびき寄せる囮をしてもらってるんだよね。
「ねえシラカワ、あの女何者?」
さりげなく殺気まき散らすのやめて下さい。
「えっとね、旅の途中でロニーさんって商人と知り合ってね、トレイナー商会のトップだけど、そこの娘さんでね、おっさんの店をうまく運営してくれてる人だよ?」
「あら、シラカワちゃん、そんな関係には見えなかったわよ?何ならお姉さんたちともしちゃう?シラカワちゃんなら2人ともいつでも歓迎だよ?」
「その通り。」
「うーん、お手柔らかにお願いします・・・」
「え?いいのかしら?じゃあちょっとつまみ食い!」ブチュー
・・・・あ、あかん、サージュ、それ以上は・・・・ふう、離れたって今度は、ファートかよ。
「シラカワ、私も」ブチュー
ここは天国ですか、おっさん本当は天に召されてたんですね・・・・
おっさん、今は店舗のあった場所に来てるんさ。
で、今は絶賛罠作成中。
おそらくおっさんのスキルは接近していないと使えないから、罠で足止めして、スキル使える距離に近付いても安心できるようにね。
今は風車のある場所に居るのさ。
風車は建物から少し離れていたのか無傷でね。今も回転してるんだよね。
ここに罠を仕掛け暁団を一網打尽にしようって訳なんだよね。
おっさん頑張って罠を作成中、この2人にはおっさんの護衛をしてもらってるんだよ。
スキル使いまくると精神力がなくなって動けなくなるので、ね。
そうしているうちにお嬢が戻ってきた。
「シラカワ様!手に入れてきたよ!」
オリアーナ嬢に聞いた所、トレイナー商会で扱う商品に、精神力を回復するポーションがあるらしく、これをあるだけ手に入れてきてもらったんだよね。
これでどれだけでもスキル使えるぞ!
「じゃあちょっと待ってね?」
お嬢、何を待つんだ?
うん?何でお嬢がポーション飲むの??で、何?こっちにこいって?あーまた首に手を回すんかい!で、おーいまたキスですかそうですかって?
まさかの口移しでのポーションの使用とは。
お嬢、恐るべし!
で、地下に隠れ家も作っておっさんは待ち伏せをすることにしたんだよね。
そうしたら、思ったより早く暁団が現れちゃったよ。夜とかに来ないんだ?
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