第39話 おっさん、家を買う

・・・・朝だ!おはよう!今日は・・・・ってうわ!


メーネアちゃん、おむね周りがだいぶんはだけちゃってますヨ?見えちゃいますヨ?


うーん、メーネアちゃん、浴衣が良いっていうので着てもらってるんだけど、まだ今一着慣れないのか、まあ、お察しの通りで。


反対側の香苗ちゃんも浴衣着ちゃってるんだけど、おしりがね、みえちゃってるんですよ、おぱんてえが・・・・おっさんも旅館とかで着ちゃうとはだけちゃって大変だったなと思いだしちゃうわけなんだよね。



とりあえず見なかった事にして、準備準備!



そうそう、一応ギルドカードを確認してみた。


おお、あるある!残高 金貨6000枚!


?どういう事かって?



トレイナー商会でおじさんが教えてくれたけど、普段は銀貨や金貨での取引が一般的だけど、金貨100枚を超えてくると、金貨がかなりかさばり、重さも大変な事になってしまう。


そこでギルドカードに入金をしてしまう、という事を誰かが考えついたらしく、表示プレートを通じてギルドカードでの入出金ができるんだとか。


おーなるほど!


おっさん金貨6000枚とか持ち歩く事になったら、まあ収納袋があるけど、重さ的にも気持ち的にも心配だよね?


ただ、予めお金は商館で入金する必要があるんだけど、おっさんみたいに商人に物を売った時は直接お金の取引ができるんだそうだ。まあ、相手がカードに金が入ってないとできないけどね。



で、おっさんは思ったわけ。これって異世界売買のお金に使えないだろうっかって。


試しに表示プレートにカードかざして、異世界売買をしようとしたら、ギルドカードの残高が金貨6000枚あります。チャージしますか?


と聞いてきたよ!金額も指定できるみたいなので、金貨1000枚を指定したら、カードの残高が金貨5000枚になって、異世界売買の残高が金貨1010枚ほどだったよ。


確かメーネアちゃんのネックレスが金貨50枚での買取だったから、色々買いすぎちゃったな。


まあ、女性用の下着とか買いまくったからね。


まあ、これで当面は心配なさそう。


・・・・

・・・

・・


「2人とも準備はいい?」


「はい、何時でも大丈夫ですわ!」


お、メーネアちゃんの頼もしい返事だ!


「だ、だいじょーぶでふー」


香苗ちゃん、半分寝ちゃってるよ。



・・・・

・・・

・・


早速トレイナー商会へ向けて歩いていると、何だか周りが騒がしい。


別に何か事件が発生中とかじゃないんだけど、何か噂とか話をしてる人が多いな。


「あの勇者が死んだって本当か?」


「ああ、間違いねえアルフォンシーナさまがそう言ってるのを確かに聞いた!しかも娼館の前でだと!」


「え!アルフォンシーナ様がそう言ったのか??あの女神の加護で絶対に死ねないって言われてたのに、何でかな?しかも娼館の前ってあいつらしい」


「さあ、俺にはわからねえ。ただ言える事は、これから酒がうまいって事だ!」


「違いねえ。あんな鬼畜野郎、くたばってよかったぜ!」



・・・・なんか凄い事になってる?


勇者ってあの魔王を倒す存在だろ?


そんなのが死んじゃってよかったの?


しかも娼館の前でって・・・・?何か引っかかるけど、おっさんには関係ないよね。




「シラカワさま!待ってたよ!あたいのためによく来てくれたね!あたいうれしいよ!」


いやいや、オリアーナ嬢に会いに来たわけじゃないんだよ?しかも後ろの2人の視線が気になるし・・・


「まあ、あいさつはこの辺りにして、今日はあたいが案内してあげるから、よろしくね!」


うわ!笑顔がまぶしい!って嬢ちゃんが案内してくれるんか?


おじさんは?


「今日はおじさんいないの?」


「父様ね、昨日大事件が発生したからって朝一番で教会に行ってるんだ!」


事件ってあの勇者が死んだってやつか?


「まあいけ好かない野郎だったけどさ!死んじゃったのは仕方ないしね!」


結構ドライな所があるなあ。


・・・・

・・・

・・


「ここなんだけど、どう?あたい的にはお勧めなんだけど!この部屋なんてシラカワ様とあたいの愛の巣にぴったりだと思わないかい?」


いやいや、愛の巣って何言っちゃってるんですか!




「ここは下級貴族が暮らしてた家なんだけど、値段も手ごろだし、この物件もお勧めだよ!」


・・・・広いな。敷地も家の中も。ちょっと保留かな?



「もし店を持つなら、なかなかいい場所だよ!」


うーん、わからん。人通りは多そうだけどね。



暫くしてちょっと周りが立派な建物が並ぶ地域に。



「ここは元々他国の伯爵様がこの国に来た時の滞在用に所有してたんだけどさ、ちょっと色々と傾いちゃって、その時に手放した物件なんだよね。」


うーん、デカい。広い。



「ここはね、自然豊かな場所でね、なんと敷地に小川があるのさ!」


お、小川か。川はいいけど、洪水とか大丈夫なんだろうか?通りにも面しているし、奥に続く敷地があるんだな。しかも小川の周りは結構風がきついな。建物の周りはそんなことも無いけど。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る