第02話「赤ん坊になっていた」
前回までのお話
変な男女に会ったと思ったら光に包まれた。
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私が目覚めたとき、それは赤ん坊として生まれた瞬間であった。
「おんぎゃあああああああああああ!」
勝手に口から泣き声が出てしまう。もう本能で出てしまうううぉおおおおんぎゃあああああ!!
この状況は、昔読んだ本とかゲームの話とそっくりじゃない? まず生まれてすぐ赤ちゃんがこんなこと考えられることからおかしいよね。言葉も赤ちゃんはわからないと思うし、普通は前世の記憶なんてないと思うんだけど……??
「元気な男の子ですよ!!」
「お、おめでとうございます」
「私たちの子よ、パパ」
「うおおお、よく頑張ったなママ!」
周りからざわざわ声がするけど何人いるんだろう? ここは病院なのかなあ。パパママってことは、この中に私の両親がいるのだろう。目を開けてみようとするが力が入らない。これじゃあ視覚的な情報は一切入らないので、声で判断するしかなさそうだ。
「お、お……おんぎゃああああ、おんぎゃあああああああああ!!」
自分で泣き止まないように努力したけど無理みたい。さっきから頑張っているんだけどね。
ジェットコースターのふわっとした感じが何回もするから抱っこされてるようだ。いつから抱っこが始まったのかわからないけど、タオルみたいなのが巻いてある感じがする。みんなで順番に交代しながら私をタオルごと持ち上げているね、きっと。
「こ、この子が私の……?」
「そうよ。あなたはこれか『おぎゃああああああ』よ」
声で判別しろ言われても自分の泣き声がうるさくてさっぱりわからない。言葉はなんとなくわかるんだけどなぜでしょう?
よし、何が起きているかわからないからいろいろ考えてみよう!
まずは、この世界に来る前に会った男女についてだ。祈るとか次の人生頑張れとか言われたけど、この状況の事だと思われる。なぜここに飛ばされたのかも教えてくれなかったしね。
だが、前の世界では本とか好きだったから分かる。だからこの状況は転生だと思う。なぜ記憶を持ったままかは知らないけどきっと転生で間違いないよね。
ん~、記憶があるけど昔の名前を思い出せないなあ。家族とか友人もいたのかな? そこらへんの記憶はさっぱり思い出せない。これは混乱しているからかな? 落ち着いたら思い出せるかもしれない。
あとここは日本とは別の世界だと思う。だから仮に異世界ってことにするね。でも会話が日本語で認識されるのはなぜだろう? 何かの力で翻訳しているのか、元々この世界が日本のパラレルワールドとか?
怖い世界じゃないといいんだけどね。不安だなあ……。
「よーし、いい子だよしよしよし」
誰だか知らないけど揺らさないでよ!! あっ、なんだか眠くなって……。
こうして赤ん坊の僕は眠りについた。
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