4 地獄の満月

 あの日、僕は見たんだ。満月の浮かぶ夜空に、純白の巨大な翼を広げた天使を。天使はなにかを探すように何度も旋回していた。そして、翼を畳んだかと思うと既にそこにはいなかったんだ。本当に天使だったのかは分からない。でも夢じゃない証拠がある。それは僕の街が地獄のような炎に包まれていること。

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