291.【後日談】【クロスオーバー】出店有りの祭りでゲームが無いとかありえんだろ! 運営に文句言ってやる! にゃんこ祭 その3



出店が並び、各所からやって来たダンジョンマスター達がワイワイと買い物を楽しんでいる。


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にゃんこ祭参加人数は1835人です。

ダンジョンマスターの約2/3が参加していますね。

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「にゃー(結構な人数だな)」


「へぇ、ダンジョンマスターって、こんなに居たのか。

知らなかった」


「にゃー(おいダンジョン階位1位)」



命君みたいにやる気の無い奴がダンジョン1位って、ここの世界はどうなっているんだろうか。

優秀な司令官と魔獣部隊を持っているのかもしれないが。


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むしろマスターがにゃんこ祭に参加することに驚きです。

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命君は、配下の機械たちをゾロゾロ後ろに引き連れて来ている。

一応、ダンジョンマスター達が祭に連れてきてもいい魔獣は、合計でダンジョン大部屋1つ分くらいまでの魔獣としてある。

でないと、祭りを行う部屋が埋まってしまいかねないから。


命君は巨大な蛇と恐竜、蜘蛛、小人|(ゴブリンらしい)、蜂の機械魔獣、3匹の妖精を連れて来ていた。

このメンバーで祭りを楽しむつもりらしい。



「たまには電子じゃないゲームも良いものだ。

射的、ヨーヨー釣り、金魚すくい、くじ引きに型抜き……」


「にゃー(無いぞ)」


「は?」


「にゃー(出店は全部、販売式。ゲームを行っている出店は1つも無い)」


「出店有りの祭りでゲームが無いとかありえんだろ!

運営に文句言ってやる!」

「イーッ!」(『運営に文句言ってやるアル!』と書かれた旗を上げる)

「イーッ!」(『運営に文句言ってやるペコ!』と書かれた旗を上げる)

「イーッ!」(『運営に文句言ってやるッス!』と書かれた旗を上げる)

「キキー!(運営に文句言ってやるのですよ!)」

「ギャギャッ!(運営に文句言ってやります!)」

「グォォオオアアアアアア!(運営に文句言ってやるぞい!)」

「キェェェ、キャキャー!(え、ワイも言わなアカン流れ? う、運営に文句言うたるわ!)」



命君と機械魔獣達が俺に詰め寄ってくる。

分かった。分かったから。


命君のリクエストした出店を錬金術で作り、空きスペースに配置する。

問題は人手だが……あいつらを使うか。


俺は、ホムンドール社のホムンクルス達にメールを送り、手伝いのヘルプとして来てもらうことにした。


彼らは5分でやって来た。

ホムンクルス達をゲームをする屋台に仕事を割り振り、ようやく一息つく。



◇ ◇ ◇ ◇



ホムンクルス達が俺の出店で店番をしているはたで、俺は木箱の中でのんびりしていた。



「店主! この猫はいくらでござるか?!」


「にゃー(俺は売り物じゃないぞ)」


「残念でござる」



サムライっぽいのが向こうへ行ってしまい、すれ違いでヨツバがやって来た。



「猫さん、祭りの出店でお金を払うのにDPが必要とのことですが、全然持っていないのです。

お小遣いにDPをください」


「にゃー(俺も持っていない。というか、神様とダンジョンマスター以外はDPを持つことが出来ないらしいぞ)」


「え? 何です?」



おっと。命君が通訳いらずだったから、それに慣れて猫語で話してしまった。

今言ったことをそのまま、エメラルド版に刻む。



「ということは、猫さんが稼いで、そのDPで買い物すればいいということですね」


『そんなことしなくても、現金を命君に渡せば、彼が奢ってくれるかもしれないぞ』と刻む。


「彼、金魚すくいに夢中で、話しかけられる雰囲気じゃないです」



ちらりと命君の方を見る。

お、女連れている。彼女かな?

※違います。


その彼女はガラスわんに顔を突っ込み、中の金魚をペロペロ舐めている。

……んんん? 今、俺は何を見た?


変な物を見たような気がしたが、気のせいだな、うん。



「ご来場の皆様、本日はお集まり頂きましてありがとうございます。

ただいまから、ダンジョンマスター統括最高神である、幸運の女神フロディーア様から挨拶があります」



広場中央のステージが盛り上がっている。

挨拶の後、これから色んな出し物がある予定だ。

ビンゴ大会に、バンド演奏、コントにそれから……



「猫さん見っけ! お祭りいこーよ!」



ネルが俺を誘ってくれたので、店番をホムンクルスに任せて、ネルと一緒に祭りに参加することにした。

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