274.【後日談】解せぬ その2
□前書き□
異世界に来て7年。
□□□□□□□□□□□
猫の集会所にて。
木箱の中でのんびりしていると、子猫の悲鳴が聞こえてきた。
「みゃー(えーん、えーん! 高いよー! 怖いよー!)」
声の方向を見る。
どうやら子猫が屋根の上に登って降りられなくなったっぽい。
何であんな所に登ったのかは知らないが。
気付いた大人猫が、屋根に上る。
そして子猫を咥え、スタっと降りる。
かっこいい。
「みゅーん(小僧、次からは自分で降りられない所に登るんじゃねーぞ)」
「みゃ(うん!)」
いい返事をしている子猫なのだが、この2日後また同じように高い所に登って鳴いていた。
それにしても、どうして猫は高い所に登りたがるのだろうか。
本能的に安全だと思っているのか?
あるいは、高い所に居ると偉いとかあるのか?
うーむ、解せぬ。
◇ ◇ ◇ ◇
ある日の猫の集会所。
俺がのんびり大の字で寝ていると、少し大きくなった黒い子猫が俺の近くにやってきた。
何か用か?
「ゴロゴロゴロ……」
目を少しだけ開けて、様子を見る。
子猫は、俺のでっぷりしたお腹を、前足でムニムニ押し始めた。
「ゴロゴロゴロゴロ……」
こうした猫のふみふみ行動は、子猫が母親猫の母乳を出やすくするようにするための行動だ。
だが、赤ちゃんから卒業しても、赤ん坊気分になって、このような行動を行う事があるらしい。
母親から離れたタイミングや、性格によっても違うのかもしれない。
それはいいのだが。
「ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…………」
どうしてふみふみ行動を行う時は真顔なんだろう?
ちょっと怖いのだが。
うーむ、解せぬ。
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