258.ハーディス様公式ファンクラブ
ここは白い床が続く空間。
ハーディス様の神スペース。
当のハーディス様はちゃぶ台に着き、もぐもぐとシュークリームを食べながらマンガを読んでいる。
威厳が仕事をしていない。
「どうしました? 先ほど神の魂が『魔王トミタに殺された!』と言っていましたが」
さっき『嫌魔王集会』の神を名乗る男が襲撃してきたことを伝えた。
「うーん、それが本当なら困りましたね。
魂に貴賎はありません。消えても良い魂は無いのです。
【存在消去】は、人間界で魔王が人間の魂を減らすことで、私へ嫌がらせするためのスキルだったのですが。
まさか神達が【存在消去】を悪用しているとは知りませんでした」
「にゃー(言いがかりで神様連中に責められるのは嫌だぞ。
何とかならないものか)」
「それなら大丈夫です。このバッジをあげましょう」
ハーディス様が、俺に何か渡してきた。
ハーディス様のミニキャラが描かれたバッジ?
「ハーディス様公式ファンクラブのバッジです。
私のサイン入りですよ」
「にゃー(一体これをどうしろと)」
「このバッジを付けていれば、たいていのスキルは無効化してくれます。
さらにちょっとだけ偉くなれます。
偉い神様相手に喧嘩を売る者は、ほとんどいませんよ」
こんなチャチなバッジ1つで偉くなれるというのは嘘くさい話だが。
せっかくハーディス様がくれたので、ウエストポーチに付けておこう。
「にゃー(ん? このバッジを狙う者が現れたりしないか?)」
「正式な会員以外が手に取ると、私の天罰が下りますよ」
おおう、それは怖い。
というか俺はいつの間にか会員にされたらしい。
まあいいけど。
ハーディス様は手を振って、バイバイと言ってくれた。
俺も手を振り返す。神スペースから帰る。
「さて、【存在消去】スキルを世界から消してもらうよう、スキル神に頼みに行きますか」
数日後、【存在消去】スキルが人知れず消えることとなった。
俺の強奪した【存在消去】も、そのタイミングで消えたのだった。
そして、俺の鑑定結果がこちら。
――――――――――――――――――――――――
名前:トミタ・ミナモト
Lv:103(27歳)
種族:猫
スキル:【鑑定Lv100】【鑑定阻害Lv30】【鑑定偽装Lv39】
【四次元空間Lv100】【ライトLv100】【ライトニングLv25】
【捜索Lv58】【強化ヒールLv100】【スプラウトLv10】
【建築Lv20】【鍛冶Lv40】【強化加速錬成Lv100】【強化変性錬成Lv100】【強化分離錬成Lv100】
【経験値100倍】【習得Lv100】【解毒Lv100】
【MP消費軽減Lv40】【限定コピーLv38】【スキル付与Lv32】
【(奪)スキル強奪Lv37】【神託Lv22】
【※傾聴Lv26】【※念動力Lv18】【※縮小化Lv4】
ステータス:
HP 3,750/3,750 MP2,698/2,699
ATK708+20 DEF536 MAT687 MDF460+40 SPD1137 INT562 LUK141
称号:【王者を討伐せし者】【救済者】【超炭鉱夫】【ダンジョン踏破(1)】
【エセ大魔導士】【魔王(0P)】【エセ猫王】【ハーディス様公式ファンクラブ会員】
【錬金術の神(3688P)】【森の主】【エセ金眼夜叉】【魔獣義賊】
所持神コラム:
『魔王の弱点集』
『神なら持っておきたいお勧めスキル・称号の修得法』
『魔王を消し飛ばす神のスキル』
『ゼロから始める転生初心者~中級者編』
『ゼロから始める転生中級者~上級者編』
茶トラの猫。元は人間だったらしい。
宿と森、店で自堕落な生活をしている魔王。
ハーディス様の部下を名乗る無礼者。一応神(笑)。
そのファンクラブバッジよこせぇぇえええ!
――――――――――――――――――――――――
おい最後。
人の鑑定結果に変な文章を書きこむのはやめろ。
ハーディス様に言いつけるぞ。
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