243.リオン寝込む
俺とネルは、宿屋のベッドでのんびり横になっていた。
ちなみにナンシーさんはカウンターで番をしている。
「最近ヨツバに元気が無いんだー。猫さん何か知ってる?」
『しらん』と書いた板を取り出す。
よく使うセリフは板を取り出した方が早いのだ。
「そっかぁ」
その当のヨツバは同じくベッドに横になり、イケメンがぁ、私のイケメン奴隷ハーレム計画がぁ……とぼやいていた。
最近の女子の使う単語はよく分からん。
「んー、よし!
猫さん、一緒にヨツバを元気にしようよ!」
ネルはいい子だなぁ。
「私の夢がぁ……イケメンに囲まれて過ごす日々がぁ……」
上の空のヨツバをよそに、俺達はヨツバを元気にするための計画について話し合った。
といっても、交互に鉛筆もどきで紙に案を書いただけだが。
◇ ◇ ◇ ◇
たくさんの猫で癒されよう作戦。
発案、俺。
ネルに頼んで、ヨツバを猫の集会所へ連れて行ってもらう。
俺も付いて行く。
「みゃー(猫又様、この人間の娘は?)」
「にゃー(ちょっと傷心気味だから、皆で慰めてやってほしい)」
「みゃん(わーい)」
ヨツバを猫達が取り囲む。
体をこすりつけたり、お腹を見せたりしている。
可愛い、最高だ。
これだけの猫に囲まれたら、心が癒されるに違いない!
「……ヒゲですね」
猫の顔を見て、ヨツバがぼやく。
「そうだ、リオン君が寝ている間にヒゲを剃れば……」
しばらく猫達に囲まれていたヨツバだったが、顔に笑顔が戻った。
良かった。途中何かぼやいていたようだが。
後日、リオン君のヒゲが何者かによって剃られていたそうな。
リオン君はショックで3日寝込んでしまった。
【探索】で犯人を探したらヨツバだったので問い詰めたが、ショタにヒゲは無用!
とか訳が分からないことを言われた。
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