234.こそこそ
雑貨屋クローバーの鍛冶場にて。
リオン君とブラディパンサーの様子を、俺は物陰から観察中。
どうして物陰かというと、仕事の邪魔をしないためだ。
「ゴロゴロゴロゴロ……(踏み踏みをしていると赤ん坊に戻った気分なのー)」
「そんなにふいごを踏むのが好きかよ?」
「ガゥ!(楽しいのー、リオンもするのー?)」
うむ、仲が良さそうで何よりだ。
「げ、旦那が顔を半分出してこっち見てる」
「グルゥウ!(旦那さんも踏み踏みするのー?)」
「にゃー(おっと、邪魔したな)」
気付かれた。
退散、退散。
「……何だったんだ?」
◇ ◇ ◇ ◇
そろーり、そろり。
目標まで、あと5m。
3m。2m。1m……。
今だ!
ヌコじゃーんぷ!
ドスン!
「ぐぇっ」
寝ているコーディの布団に乗った。
「にゃー(いい加減起きろ)」
「……もっと優しく起こして」
何を甘えたこと言ってんだ。
他の奴らは日が昇る前に起きているというのに。
もう昼前じゃないか。
俺はドアノブをジャンプで開け、出ていく。
フリをして、こっそり様子を覗く。
二度寝してないだろうな。
「……ZZZ」
どうやらもう一度ヌコじゃんぷをお見舞いする必要があるらしい。
俺はこそこそと近づき、飛びかかった。
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