126.ヨツバ、ショタに会う
深夜。俺はヨツバを背中に固定し、宿を出て店へやって来た。
ヨツバをリオン君の近くへ下ろす。
【ライト】を使用すると、部屋が照らされた。
「すぅ……すぅ……」
「かあいー!」
ヨツバは『グッジョブ!』と氷ブロックを作る。
俺は加速錬成で氷を溶かす。
そしてリオン君を突いて起こす。
「うーん……ん?
猫の旦那、おはよう」
『おはよう。ヨツバを連れてきたぞ』と書く。
「……」
「よーいくえ」
よろしくね、と言ったのだろう。
「赤ん坊じゃねーかー!」
『中身は君より年上だぞ?』と書く。
「いやいや! 俺ってここで店員やらされるって話だよな?!
店のトップが猫と赤ん坊って何だよ!」
『何か問題でも?』と書く。
『お姉さんに任せなさーい』と書かれた氷ブロックが現れる。
「問題しかねぇー?!
お姉さんって何だよアンタ赤ん坊だろ?!」
『で、ヨツバ。この店はどうだ?』と書く。
『氷を売るための容器がないです。
断熱材や断熱容器を作ることは可能ですか?』と氷ブロック。
『簡単だ。発泡スチロールもどきを作ればいい』と書く。
「無視しないでくれよ?!」
俺とヨツバはリオン君の方へ向く。
『俺達に対してはそれでもいいけど、お客さんには丁寧な言葉づかいで頼むぞ?』と書く。
『今は大事な話をしているから、待っててね。
後でお姉さんが遊んであげる』と氷ブロック。
「ええ?! 俺が悪いの?!
ってか遊んでもらう必要ねぇよ!
俺は小さい子どもじゃねぇ! そもそも赤ちゃんが俺を気遣うなよ!」
「うっせーぞ! こんな時間に近所迷惑だろーがバーロー!」
「ひっ?! ご、ごめんなさい……」
リオン君は、店に入って来た老人に謝っている。
ああ、店の戸締りも考えなくちゃなぁ。
錬金術で錠でも作るか。
老人が去った後、リオン君はいじけて部屋の隅で小さくなっている。
ヨツバが「かあいー!」と興奮していた。
かあいーって何だ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます