117.魔王襲来
マック君と兵士に連れられて、俺は久しぶりに城に来た。
廊下を通り、両開きの扉が開けられ、王様が居る部屋に入る。
「よく参られ……ゴホンゴホン!
よくいらっしゃった!」
王様が立ちあがり、歓迎してくれた。
『無理して敬語使わなくていいぞ』と書く。
「う、うむ。では普通に話させてもらう。
さっそく本題だが、今日は私に話があるらしいが……何っ?!」
王様はビクリと飛び上がる。
一体どうしたというのか。
◇ ◇ ◇ ◇
・フランベル4世視点
「さっそく本題だが、今日は私に話があるらしいが……」
言いつつ、いつもの癖でケット・シー殿を【鑑定】した。
――――――――――――――――――――――――
鑑定結果
名前:トXタXXX
Lv:73(X歳)
種族:猫
スキル:【鑑定XX】【XX】【XX】【四次元空間XX】
【ライトXX】【XX】【XX】【XXLv49】【スプラウトLv8】
【XXLv38】【加速錬成XX】【XXLv100】【XX】【XXLv8】
【XX】【XXLv100】【解毒Lv5】【XXLv7】
【※傾聴Lv8】【※念動力Lv9】【※縮小化Lv1】
ステータス:
HP XXX/2,639 MPXXX/XXX
ATKXX DEFXX MATXX MDFXX SPDXX INTXX LUKXX
称号:【XX】【XX】【XX】
【XX】【エセ大魔導士】【魔王】【XX】
【錬金術の王】【森の主】【XX】
XXX茶トラの猫。XXXXX。
XXXXX耐性を持つ。
――――――――――――――――――――――――
「何っ?!」
【魔王】の称号?! 馬鹿な?!
王族である私には、【鑑定偽装】(【鑑定】の結果を別物にすり替えること)が全く効かないのだ。
だから情報が偽りなく、そのまま表示される。
【鑑定阻害】(【鑑定】を阻害されXと表示されてしまうこと)されずに示された情報の中に【魔王】称号があるだと!
魔王ゴルンの次の魔王が行方知らずだったが、何とケット・シー殿が称号を手に入れていたとは!
ど、どうすれば……。
私があたふたしていると、ケット・シー殿が『タイプライター使って会話してもいいか?』と書いてきた。
「う、うむ」
ケット・シー殿はタイプライターを取り出し、猫っぽく伸びをした後、ガチャリガチャリと打ち始める。
ニコがそれを読み上げる。
「えーと、『そうそう、本題だったな。砂糖の原料を栽培しちゃ駄目って法律があるらしいな?』だって」
「う、うむ……昔の国王と勇者が取りきめたのだ。
砂糖の価格を高くすることで、金持ちから利益を得る。
その得た利益で公共事業を行ったり、恵まれぬ者のために孤児院を建てるなどしているらしい。
それがどうしたと?」
「なになに、『打ち首や一族皆殺しはやりすぎじゃ?』だって」
「国益を損なう者には、相応の報いを与える。
当然のことだ」
何度か食い下がってきたが、法律の変更をきっぱり断る。
やがて向こうも諦めてくれた。
「ふんふん、『で、その砂糖事業は誰が取り仕切ってる?』って」
「それは、勇者の末裔であるバロム子爵が」
「陛下! 何を真面目に受け答えしているのです!
こんな気味の悪いデブ猫なんて追い出してしまえばいいのです!」
ケット・シー殿を連れてきた若い兵士が言う。
ああ、最近就いた彼は、3年前の大魔導士の騒動を知らないのか。
「貴様! 陛下と大魔導士殿に対して何と無礼な!」
「よい、防衛大臣。君、下がりなさい」
「……はっ」
若い兵士を下がらせ、ケット・シー殿にバロム子爵のことを紹介する。
丁度町へ来ているみたいだから、呼ぶことにした。
しばらくして、整った顔をした細い男、バロム子爵がやって来た。
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