52.自分の鑑定結果に納得いかない


俺は魔王シルフとエルフのアウレネについて、知る限りの情報を国王に話した(書いた)。


そしてこう付け加える。

『頼むから俺の生活の邪魔をしてくれるな』と。



「ふむ……大魔導士殿、貴重な情報、感謝しよう」



王様が答えた。

すると隣の細長い男が声を荒げた。



「陛下! この猫の言うことを真に受けるおつもりか?!

だいたい、エルフと共に暮らしているとはどういうつもりだ?

貴様、さては魔王軍の魔獣ではないのか?!」


「防衛大臣、仮にこの猫が魔王の手下ならば、私達はとっくに始末されているだろう。

私には【鑑定Lv13】というスキルがある。

それを使ってステータスの一部を見たが、大魔導士殿はどうやら古竜に匹敵する能力を持ってらっしゃるようだぞ」



へぇ。あのスキル、王様も持ってるんだ。

王様を鑑定してみる。


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鑑定結果

名前:フランベル4世

Lv:33(52歳)

種族:人間

スキル:【鑑定Lv13】【長剣Lv17】

ステータス:

HP 75/75 MP39/39

ATK31 DEF18 MAT10 MDF17 SPD27 INT33 LUK10

称号:【王族】【統治者】【犬好き】【大食家】

フランベル王国建国者の子孫。

特に特徴のない、普通の王様。

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犬好きか。

犬も悪くないが、俺は猫派だ。


ついでに自分の鑑定もしてみよう。


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鑑定結果

名前:トミタ・ミナモト

Lv:28(20歳)

種族:猫

スキル:【鑑定Lv100】【鑑定阻害Lv3】(NEW!)【四次元空間Lv100】

【ライトLv11】【ライトニングLv3】【ヒールLv5】

【鍛冶Lv4】(NEW!)

【経験値100倍】【習得Lv100】

ステータス:

HP 1,920/1,920 MP1,311/1,340

ATK337 DEF287 MAT397 MDF265 SPD473 INT310 LUK104

称号:【王者を討伐せし者】【救済者】【超炭鉱夫】(NEW!)

【エセ神】(NEW!)【エセ大魔導士】(NEW!)

異世界に転移した茶トラの猫。元は人間だったらしい。

ドラゴン並みの強さと耐性を持つ。

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ステータスが伸び、スキルや称号が増えている。


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鑑定結果

【鑑定阻害Lv3】

説明:相手の【鑑定】結果に、知らせたくない情報を表示しない。

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ふーん、こんなスキルもあるのか。

プライバシーを守るのに良さそうだな。


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鑑定結果

【鍛冶Lv4】

説明:金属加工、製錬が上手くなる。

さらにかまどの火の温度を上昇させることが可能になる。

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鍛冶というほどのことはやっていないが、スキルの所得条件をクリアしたのだろうか。


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鑑定結果

【超炭鉱夫】

説明:10km以上掘った者に送られる称号。

石などを掘る速度が大幅に上昇する。

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俺が爪とぎ用の鉱石を探していた時に身についた称号なのだろう。


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鑑定結果

【エセ神】

説明:神を詐称する者に送られる称号。

必要MPが大幅に減る。

たまに神が天罰を下す。

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おい、俺はバステトを詐称したことなんて一度もないはずだぞ。

こんな不名誉な称号付けるな。


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鑑定結果

【エセ大魔導士】

説明:大魔導士を詐称する者に送られる称号。

必要MPが大幅に減る。

嘘はほどほどに。

――――――――――――――――――――――――


俺じゃない。

周りの連中が勝手に言ってるだけだ。


何だ俺の鑑定結果は。

俺を嘘吐き呼ばわりしやがって。

納得いかないぞ。


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